不動産を1円でも高く売りたいというお客様に満足していただくために・・・

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不動産を1円でも高く売りたいというお客様に満足していただくために・・・写真

不動産を売却しようと思っているお客様のほとんどが1円でも高く売却をしたいと思っています。 
 
ところが傾斜地や無道路地、立地の悪い土地など、何かしらの問題を抱えている不動産は簡単に売却することが難しく、お客様の希望する価格と実際に売れる価格が乖離していることもよくあります。
 
しかし、どんな状況下に置いてもお客様に納得した取引をしていただくこと、そして最終的にはお客様に満足をしていただくことが私たちの使命ではないでしょうか?
 
今回は私が担当した「傾斜地にある自宅の売却案件」をご紹介します。 
難しい売却条件の中、お客様に満足していただくために私が行ったこととは・・・
 

相談内容

先日、税理士さんから、「既に老人ホームに入居しているお客様の、空家状態のご自宅の売却のお手伝いをしてもらえないか」とご相談がありました。もちろん快諾し、ご面談する前に現地及び役所関係の不動産調査を行い、所有者(相談者)であるAさん(75歳)と、その妹Bさん(72歳)ご夫婦も同席のもと、老人ホームの会議室でお会いすることになりました。 
 
売却の理由を確認すると、Aさんは、「もう家に帰れることは無いと思う。子供もいないし、将来誰もこの自宅に住む予定がない。管理をお願いしている妹夫婦にもこれ以上負担はかけられない」。 
すると「私も高齢で、現地ご覧になったと思うけど高低差のある庭の管理も大変。広い家の掃除もね」とBさん。 
先代から引き継いできた思い出深い自宅であったようですが、このまま残していても負担が大きいということから売却を決断されたようです。
 

敷地内の高低差が10m以上!


ご自宅は横浜市内の大手不動産会社旧分譲地内で最寄駅から徒歩10分ほどのところです。眺望の良さは抜群のロケーションですが、一つ大きな難点がありました。
 
駅からの坂道もさることながら、なんと土地の半分以上が傾斜地だったのです。
 
 
 
 
しかも傾斜の角度も大きく、高低差が最も大きなところでは約10mもありました。また建っているご自宅も約半分が傾斜地にあるため、かなり丈夫な基礎を作ってあります。これは簡単には壊せそうもありません。
建物がまだ継続して使える状態であれば、現状のまま買ってくれる人が見つかればいいのですが、建物内部はかなり老朽化しており、外観の見た目も古く、外壁や屋根もかなり傷んでいます。こうした状況を考えると、今のままの状態で買ってくれる一般の方は見つかりそうにありませんでした。 
 
また、敷地が450㎡もあったため、土地を買って解体と建築の費用の総額で優に億は超えます。傾斜地を好み2億円近い費用を出せる個人がどれだけいるか…。 
 
新聞やニュース等でも当該土地周辺の取引が低調であることが取り上げられており、実際に売れ残っている更地や古屋が目立っていました(当該地から2区画隣も1年以上売れ残っていました)。 
 
このような情報を踏まえAさん達にご報告をしたところ、「ここは分譲地内でも良いところで、良い値段で売れると考えていたからこの情報には驚いたよ。高低差もあるし、どう売ればいいのか…。まだ元気なうちに売って整理したい」とAさん。 
「山田さん、思い出のある家だし叩き売りみたいにはしたくないの。それと家の片付けも残っているからそれも気が重いのよね…」とBさん。 
 
私どもは与えられた条件下で最大の成果を出すことが責務です。そしてその「売却等の条件」をお客様から導き出すことがポイントです。 
多くの方が「自分の不動産は周辺の家よりも高く売れる」と考えていますが、買う人(≒マーケット)から見た不動産価値」「売却して何を得たいか」等についての視点が抜け落ちている傾向にあります。
 
我々はその視点について情報提供及びヒアリングし、適正な判断材料を提供したうえで売る条件等を整えることが重要であると考えています。 
そして、「誰に売るか(個人または業者/それぞれのメリットと留意点)」「どのような売却条件を付けるか」「いつまでに売るのか」等の具体的な売却プランをお客様と練り上げていきます。 
 
さて話を戻しますが、AさんBさんにもこのようなお話をし、
「不動産の適正価格を把握し判断したい(9,000万円以上が良い…)」
「家の中の整理(箪笥やエアコン等処分の手続き)はもうしたくない」
「半年以内には整理できればうれしい」
「売ったらそれきり。あとから色々と言われないようにしたい」等の希望が出てきました。
そして次のような流れで進めることに。 
 

ステップ① 実績のある戸建分譲会社 10社程の限定入札を行う。 
ステップ② 希望条件を満たせば売却へ。もしそうでなければ異なる売却手段へ移行する。 
(①ではネット公開しないため不動産の情報価値(希少性)は維持できる)

 
ステップ①で上記の希望条件は概ね満たせますが、あとは価格がどうか。 
ここからが不動産会社としての私の腕の見せ所です。 

1円でも高い金額を出すために

駅からの坂道が急で歩くのが大変、敷地面積が流通面積帯より過大、半分以上傾斜地、解体や造成費用が多分にかかる等、挙げたらキリがないくらいマイナス要因があります。それでも1円でも高い金額が出るように努めていくのですが、価格を上げる(≒価格を下げさせない)ためのポイントがあるのでいくつかご紹介します。 
 

⑴ 不動産調査を徹底して行い、必要作業をして不明点を極力なくすこと
⑵ その不動産の情報(特にデメリット⇒解決方法を提示)を正確に伝えること
⑶ その不動産が持つポテンシャルを伝えること
⑷ 想定される質問や懸念材料を事前に精査し解答を用意しておくこと
⑸ その不動産特性(今回は傾斜地等)でも積極的に検討するターゲットに紹介すること 等

 
価格が載っただけの売却情報を多方面にばら撒いてあとは購入検討者に委ねるという他力本願ではなく、如何に購入検討者の懸念材料を払拭(又はリスクを理解)させ、購入意欲を湧かせられるかが不動産プロの見せ所なわけです。Aさんの不動産についてもこのような情報を収集し購入検討者に提供しました。
当社のこれまで培ってきた入札交渉術を駆使しながら粘り強く活動した結果、10社のうち1社がAさんの希望が叶う価格と条件を出してくれました。
 
入札活動から1ヶ月半後にこの入札結果を一覧表にまとめ、AさんBさんにご報告に伺いました。
「様々な情報提供をしての結果だからきっとこれが現状なんですね。」とAさん。「希望価格に近いし、とにかくもう家の片づけをしなくていいのが助かるから、お兄さんここで決めない?」とBさんがたずねると、「そうだね、この条件で売ることに決めたよ。山田さん、あとは少しでも妹が楽にできるように話をしておいてほしい」と、Aさんが仰ってくださいました。
 

今回の取引の成功の秘訣はなんだったのか?

一つ目は、 お客様に売却条件等の判断材料の提供をすること。
二つ目は、購入検討者に正確な情報提供を行うこと。
そして三つ目は、購入できる検討者を探し物件紹介すること。
  
これについては、プロサーチではメンバー全員が普段から、不動産会社や士業の先生方等の専門家との人脈づくりに力を入れており、メンバーそれぞれが多くのネットワークを形成しています。また社員同士でもネットワークの共有を行っています。 
 
例えば不動産会社が買主となるような不動産の売却案件が出てくれば、「そのエリアに強い不動産会社はどこか?」「今、購入意欲の高い不動産会社はどこか?」等、全員でどこの不動産会社にアプローチをすべきかをミーティングで話し合います。  
 
今回は傾斜地という特殊な案件でしたが、私たちのネットワークの中からまずは対象地付近を重点的に行っている不動産業者様をピックアップし、傾斜地でも高い金額で購入実績のある不動産会社を見つけることができたのです。 
都内で駅からも近い不動産であれば買手を見つけるのはそれほど難しくありませんが、駅から離れた場所にある不動産や、今回のような傾斜地等の問題を抱えている不動産の場合、こちらの希望する条件で購入検討をしてくれる不動産会社を探すのはそんなに簡単なことではありません。当該不動産を購入した不動産会社は「この高低差を制したものが、この地域を制する」とまで仰っているほど、当該地域に力を入れている会社でした。 
 
そして、売買価格の交渉だけではなく、残置物の撤去処分等、お客様になるべく負担がかからないように不動産会社と話を進めていきました。買主さんのご理解とご協力もあり、すべてが希望通りに順調にでき、とくにBさんは、決済の時には涙ながらに「ここまでしてくれて本当にありがとう。プロサーチさんに頼んでよかったよ。」と感謝のお言葉を頂戴しました。 
 

遺産相続コンシェルジュからのアドバイス

今の日本は高齢者社会を迎えており、高齢者の方はいつ体調を崩すかわかりませんし、急に施設に入るような状況になることも考えられます。例えばそのときに施設の入居費用を捻出する目的で、不動産を売却する必要が出てくることもあるでしょう。
そういう状況になったときに、簡単に不動産売却できると考えている方が多いと思いますが、今までお手伝いして楽だった売却事案は殆どありません。想像していた金額よりも厳しい条件でしか売却ができない、そもそも売却自体ができない(買手がつかない)こともしばしば。
今回は傾斜地の事例でしたが、例えば、無道路地(建築基準法上、有効に道路に接していない土地)や借地権の土地、地形の悪い土地や地方の土地等は、いざ売りたいと思ったときに簡単に売れないことも多いのが実態です。
もし将来、不動産を換金する可能性が少しでもあるのであれば、所有されている不動産の時価のイメージや、売却をしようとしたときにどんな問題点があるのかを事前にしっかりと把握しておくべきでしょう。(記:山田大地)

    

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