築40年のアパート残されて子供は本当に幸せ?築40年のアパート残されて子供は本当に幸せ?

築40年のアパート残されて子供は本当に幸せ?

築40年のアパート残されて子供は本当に幸せ?写真
被相続予定者
和代さん(80歳)
相続予定者
長男(55歳)・長女(53歳)
ご相談者
和代さん(80歳)
対象不動産
アパート2棟・賃貸併用マンション・預貯金
築40年のアパート残されて子供は本当に幸せ?写真

ご相談内容

今回の相談者は世田谷区在住の和代さん80歳。3年前にご主人を亡くし、その時、相続した築40年の古アパート2棟(最寄り駅から徒歩20分)などを今後どのように残していくべきか悩んでいた。不動産のことはご主人、相続後は管理会社がすべて行っていたので、管理や入居状況、修繕状況等の細かいことはさっぱりわからない状態だった。

そんな時、証券会社主催で行った『資産を引き継ぐ 後継者の相続成功の秘訣3ヶ条』のセミナーへ参加し、その後の個別相談に参加された。

さっそく和代さんから話を聴くと、『アパート2棟を管理してもらっている不動産会社から屋根や外壁などの大規模リフォームで1000万円の提案を受けているの。古いアパートだから子供に引き継がせる前に綺麗にしてあげたいし。直せば、少しは空室も埋まると思うのよね。今、やった方がいいかしら?』と話し出した。

さらに『顧問の税理士さんから概算で相続税は約11,400万円位かかり、現金だけでは納税できそうもないので、ゆくゆくは不動産を売るしかないと言れているの。けど…アパートは子供たちに残してあげたいし、何かいい方法ないかしら?』との相談だった。

子供たちが困らないようにしてあげたいという強い思いと古いアパート残さなきゃと思い悩んでいる様子がうかがえた。

当事務所の 提案と解決策

和代さんの話の要所をまとめると
①古アパートを今後どうする?
②資産を子に残したい、迷惑かけたくない
③相続時に納税で困らないようにしてあげたい。
ということだ。

我々から『お子さんが、納税や資産のことで困らないようにしてあげたいのですね?』と確認すると、深くうなずいた和代さん。続けて『では、お子さんは、築40年の古アパートを改修さえすれば、本当に困らなくなるのでしょうか?』と聞くと、和代さんはキョトンとして『私、主人から相続して当たり前のように子供に引き継ぐものかと、綺麗にすれば子供が喜ぶと思って…。そもそも古アパートは要らないって思っていたりするのかしら?』と、頬に手を当てたまま黙り込んでしまった。

一呼吸おいて『お子さんたちは、何ておっしゃっていますか?』と質問すると『聞いたことないわ』とつぶやいた。『お一人で思い悩むよりも、お子さんの考えや気持ちを聞いてみることが大事ではないかと思いますが、いかがですか?』と尋ねた。『そうね、子供が困らないようにと考えていたけど、そもそも、子供がどう想っているか聞いてみるわ。大事なことね』と、相続を受ける側の気持ちや想いを確認することの必要性を感じてもらえたようだ。

資産の残し方や納税については、その場でいくつかの方法は考えられたが、和代さんご一家に合ったより良い提案をするためには、不動産含めた資産の現状把握とお子さんたちの考えや気持ちを確認することが必要とお伝えし、『個別ヒアリングと資産分析と対策レポート』の作成をお勧めし、概算の費用もお伝えした。

後日レポート作成に関する正式依頼が届き、不動産調査や財産分析に着手した。途中、お子さんたちからも個別に約1時間ヒアリングを行った。

ヒアリングの結果は以下の通り。
①長男・長女さんともに空室も増え家賃収入も減り、補修修繕費が増える古アパートはあまり欲しくない。できれば違う形が望ましい。
②借金をしてまで建て替えることはない。借金はいらない。
③長男は母と同居している賃貸併用マンションを相続できればいい
④長女さんは古いアパートではなく現金か都心のマンションのような管理が楽で比較的換金し易いものが良い。

ヒアリングの結果を踏まえ、当社提携税理士の協力のもと福田家オリジナルの提案レポートを作成し、依頼から3週間後長男と長女も同席のもと、資産状況や相続に関すること今後の対策案などを報告した。

提案内容の概要は
①現状のまま古アパート2棟を2億円で売却し、その代金で、最寄駅から徒歩5分以内の都内の高層分譲マンション2戸へ組み換える(評価圧縮効果が高い)。
②生命保険へ各500万円ずつ1,000万円分加入というものだ。

そして、①と②の対策を実行すると、
【相続税評価額は、現状から合計▲1億5,000万円圧縮される(不動産評価:古アパート2棟2億円→分譲マンション2戸6,000万円=不動産組換えで▲1億4,000万円の評価圧縮)】
そして、【相続税は、現状の約11,400万円から約5,400万円に引き下げられる。つまり▲6,000万円の引き下げ効果となる】
※数値等は簡略で表記しています。税制改正後の税制及び小規模宅地の特例(通称)を適用しています。

これら対策を行うことで、現預金+生命保険金の6,000万円で相続税を納税することができる。そして、長男さんが賃貸併用マンションを、長女さんが区分マンション2戸を相続することで、希望通りの資産を相続することができるというプランだ。

提案報告を終え、和代さんから『いまある資産を現状のままでなんとかしようと必死に考えていたけど、少し資産を変えるだけでこんなにも違う結果になるのね。本当は主人が残してくれたアパートを売ってしまうのは寂しいけど、子供たちも納得しているみたいだし、私が悩んでいたことも一気に解消される内容だったわ。きっと主人がいてもこのようしていたかもしれない。松尾さん、この提案内容で進めていくことにしたわ。私たちにピッタリの提案をしてくれてありがとう。そして子供たちの気持ちを聴くということに気付かせてくれてありがとう。』と嬉しい感謝の言葉をいただいた。

古いアパート2棟の売却も無事完了し、長女さんはマンションのパンフレットを集めて、和代さんと楽しそうに検討を進めている。子供に残すものを、子供と一緒に、笑顔で選んでいる和代さんの姿を見て、お手伝いできて本当に良かったと思った。

所見

ご相談内容や悩みは人それぞれです。しかし、共通することは『子供が困らないようにしてあげたい。子供に喜んで欲しい』という親心です。相続対策や不動産活用を考えるということは、相続や税金、資産運用など多岐に渡り考えなければなりません。だからと言って色々な人の話を聞きすぎて、何も実行しない人やいつのまにか税金を減らすことだけに目がいってしまい、本当の対策の目的を忘れてしまう方も少なくありません。不動産・相続で成功するには、まずは、先延ばししない。そして、家族で話し一緒に取り組むことです。あらゆるセミナーに参加したり、無料相談に何度通っても結論は出ません。本気で相続対策を実行したい。本当に信頼できる意見が欲しいならば、その道のプロに適正な報酬を支払って相談すること勧めます。傍観者の「無料の意見」は聞き流すくらいの勇気が必要です。当社のモットーは、『なぜそうしたいのか?誰が喜ぶことなのか?相続対策する目的な何か?』という気持ちにフォーカスすることです。(記:松尾企晴)

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