早くしないと損するかも?相続空き家の3000万円特別控除をつかって空き家の実家を賢く売却する方法

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早くしないと損するかも?相続空き家の3000万円特別控除をつかって空き家の実家を賢く売却する方法写真

2020.10.27

 
「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称「相続空家の3,000万円特別控除」は、相続した空き家を売却する際に税金を抑えられる制度です。
 
例えば、母が一人で住んでいた実家を相続後一定期間内に売却すれば、売った時の利益が3,000万円以下であれば税金が掛からなくなるのです。
 
ただし、いくつかの適用要件を全て満たす必要があります。
その要件のひとつに「相続発生後から空き家であること」があります。
実家を貸して収入を得よう!と実際に『第三者に貸した』としたらこの特例は使えなくなってしまうのです。
 
そこで、やってはいけないこと、やっておかなければならないこと、やっておいた方が良いこと、を本記事ではお伝えします。
 
今回のポイントは以下の通りです。
 

・税金を安くしたいのなら安易に貸すのは要注意。
 
・実家どうするか未決定、争族に発展・・・、時間ばかり経過し使えなくなることも。
 
・親が元気なうちから、実家の売却価格や手段を確認し、選択肢を知ることが重要。

 
 

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相続空家の3,000万円特別控除の概要

不動産と税金
それでは「相続空家の3,000万円特別控除」の内容を見ていきたいと思います。
 
簡単に一言でいうと「親から相続した空き家を売却したときの利益から3000万円控除できて譲渡所得税が安くなる制度」です。
 
相続空家の3,000万円特別控除
 

留意点
1.建物解体せず譲渡する場合は、当該建物が耐震規定に適合していること
 
2.相続発生時から譲渡時まで、土地や家屋を事業/貸付/居住の用に供していないこと
 
3.区分所有建築物(マンション等)には適用できないこと
 
4.被相続人以外に同居人がいないこと
 
5.相続財産に係る譲渡所得の課税の特例との選択適用とすること
 
6.確定申告時に地方公共団体の長等が上記1.2.の要件を満たすことを確認した旨を証する書類を添付すること

 
※その他、居住用財産の買換え等の特例との重複適用その他の所要の措置を講ずるとしています。
 
※上記表及び留意点は国税庁ホームページに記載の「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」をまとめたものです。
 
つまり、一人暮らししていた被相続人(親)の自宅が対象で、相続発生後から譲渡まで親族など誰も使っていない状況の空き家にだけ使える特例です。
 
 

相続空家の3,000万円特別控除の適応期間

カレンダーとペン
 
では、この特例はいつの相続から対象とすることができるのでしょうか。
 
国税庁ホームページには『相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。』との記載があります。
 
例えば、令和2年10月20日に発生した相続は、要件を満たすことで特例の適用対象とすることができ、令和5年12月31日までに譲渡することで特例の適用対象となります。
 
 
この相続空き家の3,000万円控除の特例を使うと、控除額3,000万円×譲渡所得税率20.315%=約610万円も譲渡所得税が少なくなります。
 
税負担の大きさを気にしていた人や、売ろうか貸そうか迷っていた人も、この税金面の優遇を売却のチャンスと捉えて多くの方が売却を決断されました。
 
 
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「誰も使う予定のない実家」を賢く売るための4つのポイント 

売却中の空き家
 

相続空家の3,000万円特別控除は、特例を適用できる期間内で『すでに空き家を相続している人』『空き家を相続することになる人』には、税金面での優遇を受けられます。
 
しかし、適用には上記の通り「有効期間」があります。
なので、いざ相続などした時に慌てないように、賢く売却できるように確認や決めておくべきポイントがあります。
 
【1.自宅の時価を把握しておくこと】
譲渡価格が1億円を超えてしまうと特例が使えません。
事前に概算でもいいので時価を確認しておく必要があります。
 
【2.家の片づけを早めにしておくこと】
もし、この特例が使える期日ギリギリ(相続発生から3年が経過する12月末)に売却することが決まったとしたら?
親の遺品などで遺したいものなどをじっくり探すこともできないでしょうし、タイムオーバーになり特例が利用できないなんてことも考えられます。
家の片づけは、皆さんが思っている以上に時間がかかることなので事前に“遺すもの”などを整理しておくことが必要でしょう。
 
【3.安易に貸すという選択をしないこと】
空き家でも固定資産税等の税金が毎年かかるため、それなら貸して賃料収入を得るという選択もあります。
また、空き家問題が社会的に注目されるようになり、空き家を借り上げるなどの空き家ビジネスも注目されるようになりました。
 
しかし、この特例は貸してしまった後では使えないので要注意です。
賃貸か売却かあらかじめ慎重に検討する必要があります。

 
【4.実家についての話し合いのきっかけ】
この特例をただ税金が安くなるというものとして捉えるだけではなく、相続前後の実家をどうするのか?など、実家や空き家を考えるきっかけの一つとして、親子や相続人の兄弟間でしっかりと話し合っておくことが重要です。
相続人同士で争ってしまうと、解決までに時間がとにかくかかり、特例の要件である『相続発生後3年という期限』が過ぎてしまい税負担を軽減できるメリットを享受できなくなることも。これでは誰も得しませんね。
 
 
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まとめ

税金解説まとめ
 

・税金を安くしたいのなら安易に貸すのは要注意。
 
・実家どうするか未決定、争族に発展・・・、時間ばかり経過し使えなくなることも。
 
・親が元気なうちから、実家の売却価格や手段を確認し、選択肢を知ることが重要。

 
 
実家とは、育った場所であり親との想い出もある、先祖代々引き継ぐものなど、経済的な損得勘定だけでは測れないものが沢山あると思います。相続する人の想いの重さも違うでしょう。
 
だからこそ、できることならば子は親へ、親は子へ気持ちや希望を元気なうちに聞き、家の維持負担などの現実的なこともよく話し合い、大切な実家を空き家問題化しないように、取り組んでいく必要があると思います。誰に使う予定がない空き家となる実家については、相続に詳しい不動産会社や税理士などの士業の方へご相談ください。
 

この記事の監修
プロサーチ株式会社 代表取締役 松尾 企晴(まつお きはる)

20歳のとき母方の祖父母を火事で亡くし、祖父祖母の相続では兄妹間の争族に発展。『またいつか』ではなく『すぐにでも』行動しなければならないことや、どれだけ仲の良い兄妹でも揉めることを痛感。会社の事業理念に『家族の物語をつむぐ』を掲げ、不動産等のモノだけではなく、親や子に対する想いや思い出などのコトも含め、家族が織りなしてきた物語(モノやコト)を親から子へと継承していくことこそが【真の相続】と考え、不動産相続のプロとして、お客様の気持ちを聴き、寄り添う姿に多くの顧客から評価を得ている。
現在は全国から寄せられる相続に関する相談の解決に尽力しながら、家族信託の提案や、相続問題解決のヒントをメルマガ・セミナーなどで情報を発信している。

 

 

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