不動産を売ったら相続の悩みがなくなった

不動産を売ったら相続の悩みがなくなった

不動産を売ったら相続の悩みがなくなった写真
被相続予定者
中村洋子さん(奥様・58歳)
ご相談者
奥様(58歳)、ご主人(62歳)、長男(35歳)、次男(32歳)
対象不動産
自宅、土地※一部を店舗に、残りを駐車場として賃貸集、生命保険、現金

ご相談内容

相続で苦労した経験があるため、子供たちには苦労させたくない!

相談者の中村さんは、都内の自宅のほかに東京都市部に店舗と駐車場で貸している土地を持っている。貸店舗は来年更新がありその条件や将来の相続のこと、自宅の借入金のことで悩んでいた。顧問税理士のY先生に相談したところ不動産・相続のことなら、と当社を紹介されてお会いすることになった。相談初日、じっくりお話を聴くと「親の相続のとき納税や兄弟間の遺産分割で苦労したから、自分の時は息子達に迷惑をかけたくない!」「自宅のローンを早く返して安心して暮らしたい」など胸の内を話してくれた。その席でY先生から「現在の状況だと、相続税は約2億円かかり、納税は駐車場部分を処分し、不足分は生命保険金で納税する予定です。」と話があった。続いて中村さんが「店舗に貸している土地の部分は、将来兄弟で共有相続するのかしら…」とつぶやいた。

当事務所の提案と解決策

自分たちの現在の資産状況を把握する!

話を聞いて我々は、将来の相続に備えて納税や分割についてどんな方法があるか、また相続税軽減の手法や店舗との更新交渉術などを説明した。そして今後するべきこととして、①駐車場土地が将来問題なく売れるのか、またどれくらいの価格になるかをある程度把握すること②不動産を兄弟共有で相続させることを避けること③今後、夫婦で楽しく暮らすには毎月の生活費はいくら必要か把握すること、などを提案した。そして、店舗用地も含めた、敷地全体の時価を把握しておく必要があることも話した。中村さんは、「貸している店舗があるままでも売却できるのですか?」と興味津々の様子だった。

駐車場だけでなく店舗も含めた土地の全ての売却も視野に!

財務状況も良好で信頼できる不動産会社3社に限定し、秘密保持を遵守することを前提に情報を公開し、店舗を含めた敷地全体と、駐車場部分のみの価格を出してもらうことになった。情報提供から1ヶ月後、各社から価格提示があった。敷地全体での購入最高価格は4億円だった。駐車場部分だけでは価格が伸びなかった。つまり、この土地の現在価値の最高は4億円ということになる。相続財産評価6億円に対して実勢時価が4億円!評価と時価に大きなかい離があることが明確となった。

財産評価に対して時価が安いと本当に損なの!?

普通、相続財産評価より時価が安いから売るのは損だ、と考える。本当にそうだろうか?評価6億円の土地を持っているだけで約2億円もの相続税がかかる。だが実態は、時価<評価で、時価4億円の土地に相続税が2億円かかることになる。つまり換金納税率50%となるわけだ。もし、今その土地を売って税引き後の現金3億円(4億円で売って税金や諸経費支払い後)にしたら相続税は1億円程度になる。更にその現金3億円を使って相続財産評価の圧縮になる区分マンションを3億円分買うと、相続財産評価は1億円以下になり、相続税は3千万円前後まで引き下げられる。つまり、相続税軽減対策の肝は「財産評価と時価のかい離」なのだ。

資産の組み換えで安心と安らぎを得る

中村さんに活動報告をしながら、「収益不動産への組み換え」プランも提示した。今回、土地全部を4億円で売却し、事業資産の買換え特例を活用し(譲渡税軽減)、収益物件2棟購入する。この組み換えにより、時価4億円を変えることなく、財産評価6億円が一気に1.5億円まで下がる。結果、相続税が2億円から3千万円に大幅圧縮できる、と提案した。付け加えて、将来の分割は兄弟で収益物件を1棟ずつ持つことで円満分割となり、相続税も生命保険金のみで十分足り、今後困ることはないと説明をした。(Y先生に相当詰めていただき、細かい各種税シミュレーションも作成)中村さんご夫婦は、今より多少収入は減るが夫婦で生活するには十分な収入が得られるということ、相続税や遺産分割の心配がなくなることを理解しこの提案で進めることを決意した。当社の仲介で土地の売却が完了し、その資金の一部でまず自宅の借入金を返済することができ、とても安心していた。買換える物件はこれから少しゆっくり考える予定である。
中村さんは様々な悩みから解放されて、今では夫婦で世界旅行に行く計画を練っているようだ。

遺産相続コンシェルジュからのアドバイス


「相続税評価>時価」の不動産は、上手に組み換えることで相続税を軽減することができます。更に収入が低い不動産であれば、組み換えることで収入アップも期待できます。納税候補地等として考えていた不動産が、時価より評価額が高く、相続税負担を押し上げてしまっていることに気付いている人は少ないのが事実です。今回の中村さんは60歳代で相続対策を実行したことで、現在は悩みから解放され、趣味を満喫しています。相続対策は相続人のためと思いがちですが、中村さんのように自分達のためにもなる相続対策は心と暮らしを豊かにすることを改めて実感しました。
(記:松尾企晴)

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