底地を優先的に相続税納税に充てたい!

底地を優先的に相続税納税に充てたい!

底地を優先的に相続税納税に充てたい!写真
被相続予定者
高橋一郎さん(長男・61歳)
ご相談者
父(80歳)、長男(64歳)、長女(62歳)、次女(58歳)
対象不動産
自宅、貸宅地(底地)複数、貸アパート複数、駐車場複数、預貯金

ご相談内容

相続税がなんと4億円!しかし払える現金はほとんどない…

相談者は地主である高橋さん一家の長男一郎さん。父が入院したことをきっかけに一郎さんが不動産の管理を行うことになった。そして、一郎さんは相続のことも気になり、顧問税理士に相続税の試算を依頼した。その結果、相続税が約4億円もかかることが判明。父の資産には現金がほとんど無く、納税は不動産を売って納めるかしかないようだ。一郎さんは「管理が面倒な底地を物納で納税に充て、所有権の不動産は残せないものか」と考えた。その考えを何度か顧問税理士に相談をしたが、税理士は「底地は物納できない」の一点張り。他に具体的な納税の提案もないまま途方にくれていた。そんなとき「底地の物納と資産の組み換え」をテーマにした当社のセミナーを新聞で知って参加することになった。

底地を換金するためには事前の整備が必要!

底地を換金するためには事前の整備が必要!

セセミナー後の個別相談で、話を聴き、「まずは底地が物納可能か否かの「物納診断」をしてはいかがですか?」とお勧めした。実際、相続に関わるプロでも、物納はできないと思いこんでいる人が多いし、劣後財産である底地は様々な要件をクリアしなければ物納できないのも事実だ。1ヶ月後「物納診断」の結果をお父さん交えて報告した。高橋家の底地は15年間地代の改定がされておらず、相場より低廉なこと、境界の確定や契約書等の整備がほとんどできていないことなどが分かった。そこで、適正な地代に改定する作業と併せて借地人さんへ当社オリジナルの特殊なアンケートを取ることと、併せて生前に底地を一括で専門の業者などの第三者に処分し、他の資産に組み換えた場合の相続税圧縮効果の検証をすることとなった。

実際に底地はいくらで売れるのかを把握する!

独自の方法で底地を一括で専門の業者などの第三者が買い取る価格を調べたところ、相続税評価額約6億円の約半分の3億円であることがわかった。そして、生前に底地を一括で売却して、現金化するだけで相続税が約1.3億円減ると試算された。また、借地人へのアンケートの回答から直ぐに処分できる底地の件数は3分の1以下であることも把握できた。

管理の面倒な底地を今のうちに処分して相続税納税&納税資金確保!

不動産の本当の価値は評価額でなく時価であるということ

その結果を踏まえて、当社立会いのもと家族会議が開かれた。最終的には底地の一括売却を実行することになった。理由は、①底地を納税財源とすれば、物納でも売却でもいずれは手離すことになること。②評価より安く売ることに抵抗はあったが、評価はあくまで相続税を計算するための評価であり、実勢時価ではない。つまり本当の価値は時価であることを理解したこと③借地の管理の手間もなくなり、今のうちに確実に納税財源を確保できること④相続税が大幅に軽減できること。⑤借地人に個別に売ると多くの底地が残ってしまうこと。などが意思決定の大きな要因だった。一括で処分したことで、相続税が大きく圧縮され、当初納税地として手離すことも検討していた駐車場の土地とかなりのキャッシュが残せることになりそうだ。

遺産相続コンシェルジュからのアドバイス


底地は「相続税評価額>時価」となる資産です。相続税評価額と時価のかい離が大きいと他の資産に組み換えることによって、相続税を大きく減額することができます。今回のケースは現金化して終わっていますが、これを「相続税評価額<時価」となる区分マンションや賃貸マンションに組み換えると、さらに大きな効果を発揮します。加えて、今まで手間のかかっていた借地管理から解放され、更新料や承諾料、地代のことで悩む必要もなくなります。組み換える資産によっては、より多くの収益が得られることも十分考えられます。
(記:髙橋大樹)

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