専門家から提案された不動産の共有相続!?そのまま実行しても大丈夫?

専門家から提案された不動産の共有相続!?そのまま実行しても大丈夫?

専門家から提案された不動産の共有相続!?そのまま実行しても大丈夫?写真
被相続予定者
相続予定者
正春さん(次男・50歳)、三男(48歳)、長男の子供(甥・25歳)
ご相談者
正春さん(次男・50歳)
対象不動産
自宅(200坪)、アパート2棟(各築30年/一棟は空)、マンション1棟(築40年)、駐車場

ご相談内容

共有を解消して複雑な権利関係をスッキリしたい!

相談者は次男の正春さん。お父さんが亡くなり、昔から付き合いがある顧問税理士に相続について相談した。税理士からは『相続税は8,000万円程かかるが、駐車場を処分して納税すれば大丈夫だ。遺産分割については相続人全員で共有相続すれば良い』との提案を受けたようだ。しかし正春さんと三男は、長男の代襲相続人である甥との関係が微妙であり、今後共有で相続することに抵抗があった。税理士にもそのことを伝えたが、特に提案も無く相続発生から半年が過ぎていた。※長男が4年前に亡くなった際、甥が長男の土地の持分(4分の1)を相続していた。

正春さんは、遺産分割案や納税方法についてもっといろいろな意見を聞きたいと思い、相続にも詳しい保険ライフプランナーの内山さんに相談をした。内山さんは話を聞いて「それなら不動産相続に強い専門家がいる」と言って、当社を紹介していただいた。最初の面談で正春さんは「私は自宅を、三男はマンションを相続したいと考えています。」「甥とは今回の相続ことでまだ一度も話をしていないので何を考えているのか?」「納税はどうしたらいいか?」など様々な経緯や思いを話してくれた。

相続対策には目的やゴールを設定することが大切

話を聴きながら我々は、「今回の相続の大きなポイントとは、①共有解消しながら不動産をそれぞれ単独所有となるようにどのような遺産分割ができるか。それと②納税方法でどの不動産を処分するのがベストか知りたいと言うことですね?」と確認した。兄弟はハッとした顔をして「色々悩んでいましたが…まさにそれが知りたいです。できるのですか?」と聞かれた。これから相続対策を作り込むうえで関係者の共通の目的・ゴールは何かを確認することはとても重要だ。「できるとは思いますが、それにはきちんとした不動産の調査が必要です。」その場でご兄弟から具体的なプランがほしいと、当社オリジナルの相続・不動産対策レポート作成を依頼された。

1ヶ月後、兄弟にレポート報告を行った。調査の結果を踏まえ、不動産の問題点や相続税の納税方法を話した。そして、最大の目的である共有解消と遺産分割案について次の図のようなプランを説明した。

共有問題を先送りにしなかったことで得られた将来への安心

上記の右図のとおり土地全体にあった甥の持分を交換などを利用し、今回の相続分と合わせてアパートの敷地に集約させることで、単独所有できるようにした。そして兄弟には、初回面談時に伺った希望のとおり、まず正春さんが自宅、三男がマンションを単独で所有できるようにプランした。納税は、駅前立地の駐車場でなく空のアパートを売って納税することが一番効率良いと提案した。
共有解消の最大のポイントは甥の気持ちだった。兄弟はこれなら希望を叶えることができると、当社の提案を進めることに決めた。正春さんから、「プロサーチからこのことを甥へ説明してもらえないか?」と要望があり、後日皆を集め、当社から改めて今回のプランを説明した。説明を終えると、甥の口から、甥の父である長男が亡くなられたときの話がでた。どうやら過去に共有を解消しようと「自分の持分を買取ってくれないか」と伯父達に打診をしたが、伯父達の依頼を受けた専門家だけが来たがまともな話は一切なかった。その後何の話もなくずっと不信感を抱いていた、とのことだった。そして甥は「共有を解消するメリットや納税の方法は理解しました。私は古いアパートと空きアパートの一部、現金を相続して、その空きアパートは皆さんと一緒に売って納税に充てればいいのですね。また、相続後は古いアパートを売るなり建て替えるなりは私の判断で行っていいのですね。」と驚くほど簡単に承諾してくれた。
結果、争ったり、揉めることなく相続でき、共有の解消も無事に終わった。最後に、正春さんから「顧問税理士の方から言われるまま共有状態にしていたら、将来に渡って問題を先送りしていたと思うし、甥の本当に気持ちも分からないまま関係も悪化していたでしょう。内山さんやプロサーチさんのおかげで無事解決ができました、本当にありがとう!」と嬉しい言葉をいただいた。問題が解消された現在、徐々にだが甥との交流も復活し始めているようだ。

遺産相続コンシェルジュからのアドバイス


相続では不動産の共有は極力避け単独所有とすることが原則です。共有状態でも、普段は特に問題は起こりません。しかし、問題が勃発するのは相続が発生した時や、有効活用や処分等を検討するときです。共有問題は先延ばしにしてしまう方が多いのです。しかし、時間が経つと関係者も増えたりして、上手く調整ができず塩漬けになってしまうこともあります。いつ何が起きても良いように、共有問題は人間関係が良好なうちに早めの対策を実行することが重要です。また自分達だけで解決できない場合は不動産、相続、税に詳しい専門家に頼ることをお勧めします。(記:松尾企晴)

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