相続対策として効果有り?購入希望殺到の不動産小口化商品とは!?

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今注目の不動産小口化商品とは?


皆さん、相続対策と言ったらまずはどのようなことを思い浮かべるだろうか。生命保険や贈与特例を使った対策が一般的だが、不動産を活用した対策を検討する方も多いだろう。そんな中、相続対策や投資商品の一つとして密かに人気が出ているのが不動産小口化商品だ。
 
不動産小口化商品とは、ある特定の不動産を小口化(例えば、不動産価格1億円の物件を1口100万円で100口販売)したものを口数単位で購入し、不動産から得られる収入やキャピタルゲインを口数に応じて分配する商品だ。主には不動産特定共同事業法(以下、「不特法」という)に基づいた商品(任意組合型・匿名組合型・賃貸型がある)や信託法を使った信託受益権(収益を得られる権利)による小口化商品が多い。
 
これだけ見ると不動産投資信託(J-REIT)と同じなのでは?と思う方もいるだろう。
 
J-REITとの大きな違いとして、実質的に不動産の持ち分を所有することになるため、現物不動産と評価方法(土地=路線価、建物=固定資産税評価)や課税方法(建物の減価償却も取れる)が同じになることだ。相続対策で考えた場合に、ここが大きなポイントとなる。

 

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つまり、J-REITのように少額から投資でき、不動産収入を得ながら、相続税における評価減の特例(貸家評価、貸家建付地評価、小規模宅地等の特例など)が使えるため、相続財産の圧縮効果が見込めるのである。
 
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不動産小口化商品のメリットと留意点

メリットと留意点
 
簡単に不動産小口化商品のメリットを紹介すると、
 
■メリット①:相続(税)対策に効果有り
・相続税の節税
 貸家評価、貸家建付地、小規模宅地等の特例などの評価減を適用できる。
 ※事業用資産の買替え特例も使用可能。
 
・分割のしやすさ
 遺産分割時に口数毎に分割できるため、相続人間で共有にすることなく分割できる。
 
・換金の自在度
 資金が必要な場合、口数に応じて必要な分だけ売却できるため、資金を確保しやすい。
 (現物の不動産のように全部売る必要はない)
 
・生前贈与にも効果
 不動産の相続税評価で贈与できるため、次世代への贈与がしやすい。
 (小口化商品の場合、時価の20~30%ほどの価格(≒相続税評価額)で贈与可能)
 ※実行する場合には必ず事前に税理士等の専門家へ相談してください。
 
 
■メリット②:管理の手間が掛からない
・管理は不動産プロが行うため、株のように管理の手間が無く楽である。
 
 
■メリット③:都心一等地の不動産に少額から投資できる
・銀座や赤坂、渋谷、恵比寿等の不動産に少額で投資できる。
 
 
■メリット④:購入諸経費が抑えられる(商品による)
・購入手数料が掛からないものや登記費用が不要なスキームも。
・信託受益権なら不動産取得税も掛からず、登録免許税も少額で済む。
 
 
■メリット⑤:投資対象が明確である
・原則1棟を小口商品化するため投資対象が明確である。どこに投資するのか把握できるのも強みの一つ。
 
■メリット⑥:毎年の配当は不動産所得となる
・現物の不動産を持っているのと同じように、分配金は不動産所得となり、建物や設備については当然減価償却も取れる。
 
 
こう見ると、現物の不動産よりも購入しやすいうえに手間がかからず相続対策にもなる商品と言えるが、検討の際に留意して頂きたいこともある。
 
 
■留意点①:圧倒的に投資商品が少ない(≒少ない募集に、購入希望殺到)
・現在、小口化商品自体の募集が少ない。
(各種法が厳しい、一等地の物件確保の難易度等により提供に時間を要する)
 
・募集期間が設定されているため、投資したいときに投資できないことがある。
 
 
■留意点②:事業者の倒産リスクがある
・運用事業者が倒産した場合、投資し続けることが出来なくなる可能性がある。
※売却して投資家に分配し事業を解散するか、他の事業者が当該事業を引き次ぐことになる。(ただし、株や投資信託等と違い、不動産価値として残る)
 
 
■留意点③:流動性が低い(換金する際マーケットが限定されている)
・レインズ(不動産業者間ネットワーク)等への登録ができないため、幅広く購入者を募集しにくい。(流動性が現物不動産よりも低くなりやすい)
※小口化商品を売却する際には、⑴自ら購入者を見つける⑵事業者に独自のネットワークで購入者を見つけてもらう⑶事業者へ売却 となることが一般的。
 
 
■留意点④:実質利回りが低い(概ね2%〜3%台が多い)
・現物の不動産投資ではかからない費用(組合の理事長報酬やアセットマネジメントフィー等)が発生するため、その分、実質利回りが低くなる。
ただ、一等地にある不動産の利回りと考えた時、この利回りが低いとは言い切れない。
 
 
■留意点⑤:ファイナンスを受けにくい
・販売会社提携金融機関があるか、または他の不動産などを担保としてファイナンスを受けることは可能だが、一般的には小口化商品を担保に借入を起こすのは難しい。結果、現金投資(フルエクイティ)となる。
 
 
小口化商品に関し、留意点もあるが、それ以上に不動産投資のしやすさ、相続対策の視点から見ると、十分に検討の余地がある商品であると言えるだろう。実際に弊社のお客様でもこうした不動産小口化商品に興味を持ち、検討される方が増えてきている。

 

検討されるお客様の特徴

家族
 
□相続対策をしたいけど、不慣れな不動産投資には少し抵抗がある。
□相続対策をしながら、次世代に負担(維持管理等の手間)の無いものを残したい。
□次世代に早めに資産を承継(贈与)していきたい。
□不動産投資をしたいが時間と手間を掛けたくない。
□限られた予算でも、場所が良い不動産に分散投資したい。
 
 
実際、お客様について事業者にもヒアリングしたところ、購入者の7~8割くらいは既に小口化商品購入者(リピーター)であるようだ。どうやら一度買うとその良さがよく分かるとのこと。商品によっては募集口数を上回り、抽選(募集に対して1.5倍の応募があった商品もある)になるものも出てきているため、今は供給が足りていない状況と言える。そのため、今後はもっと商品のラインナップが増えてくるかもしれない。
 
小口化商品は現物投資と比べて良い悪いではなく、お客様の現状や想いによって投資スタンスは変わってくる。もし不動産で相続対策や投資をお考えの方は、選択肢の一つとして知って頂けたら、相続対策や投資の幅が広がっていくのではないだろうか。

 

遺産相続コンシェルジュからのアドバイス

今回ご紹介した不動産小口化商品の特徴は、なんといっても少額から手間なく投資することができ、相続対策になることです。その中でも、特に相続対策として有効なのは分割対策と言えます。遺産分割の際に1棟の不動産を複数人で相続する際、共有にするか売却、代償金等をもって相続するしかありませんでした。この小口化商品なら複数人でも1口単位で分割出来るため、とても分けやすい資産となります。弊社ではこうした小口化商品を提供する事業者数社とタイアップしており、お客様のニーズに沿ってこれら商品を含めた様々なご提案をしています。小口化商品にご興味ある方は、ぜひ私までご相談ください。
(記:友重孝一朗)

 
 

 

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