【プロが解説】空き家となった実家、処分するにはどうすればいいの? 処分方法と放置したときのリスク

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【プロが解説】空き家となった実家、処分するにはどうすればいいの? 処分方法と放置したときのリスク写真

2020.11.10

 

空き家を放置しておくとどんなことが起こるでしょうか。
固定資産税が最大6倍になってしまったり、過料を科せられたりする可能性がある、とこれまでにもお伝えしてきました。
 
しかし、空き家を放置することによって他にも大変なことが起こるのです。
 
本記事では「空き家の放置リスク」にはどのようなことがあるのか、リスク回避のための行政サポート、「空き家の処分/活用」についてお伝えします。
 
 

今回のポイントは以下の通りです。

・空き家を放置していると、所有者は損害賠償責任を負ったり訴訟される可能性がある。
 
・空き家問題解消のために施策を打ち出しサポートしている地方自治体もある。
 
・空き家を売却するには「不動産仲介会社に依頼する」「不動産買取業者に買い取ってもらう」の2つの方法がある。

 

空き家を放置することで起こりえる2つのトラブル

リスク・トラブル
 
1.一戸建ての倒壊等によるリスク

 
親から相続した築40年の一戸建て(空き家状態の実家)。
相続した子どもAは遠方に住んでいて、年に一回程度様子を見に行っていました。
 
ある日、近所の方から「あなたの家の門扉が急に倒れてきて足に当たって怪我をした」と連絡が。
さて、住んでいないAさんに責任はあるのでしょうか。
 
答えは、「Aさんに責任があり、損害賠償義務を負う」です。
民法上の規定で、使用者がいない場合は、たとえ所有者が利用していなくても、損害賠償義務を負います。これを無過失責任といいます。
 
また、このように住民を不安にさせるような倒壊のリスクがある空き家は、行政から管理状況の改善を求められることがあります。もし改善に従わなかったりすると、「助言、指導」「勧告」「行政代執行」と、最終的には強制的に取り壊しまでされてしまうのです。そして、固定資産税が最大6倍になってしまう可能性も。
 
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2.マンションに住んでいなくても維持管理費の負担がある

 
相続でマンションを引き継いだBさん。
住んでいないからと“管理費”“修繕積立金”を滞納し、管理組合から督促を受けているにもかかわらず、支払わずにいるとBさんはどうなるのでしょうか。
 
この場合、Bさんは管理組合から訴訟されるリスクがあります。
 
マンションに居住している、使っているかどうかは関係なく、所有者は管理費等を負担する義務がありますから、払わずにいると訴訟を起こされることもあります。これは別荘も同じで、管理を支払わないと不動産を差押えされたりします。管理組合などに対して滞納がないかどうか確認が必要ですね。
 
 

行政のサポート

行政・東京都庁
 
空き家は年々増え続け社会問題化してきています。そこで行政は、空き家の売却や賃貸、有効活用をサポートする施策を打ち出してきています。
 
≪サポートの例≫
 

1.空き家バンク

空き家バンクとは、地方自治体が空き家の賃貸・売買を希望する人から申し込みを受けた情報を、空き家の利用を希望する人に紹介する制度です。
不動産取引が活発ではないエリア(地方圏、人気のない別荘地など)、価格が低廉な不動産は、不動産会社も積極的に取り扱いません。そうなると売りたくても売れず困っていまいますから、地方自治体の担当課へ“空き家バンク”について相談、そして登録してみるのはいかがでしょうか。
 
2.リフォ―ム費用の補助

住宅のリフォーム費用を補助する制度もあります。
思い入れがあるから手放したくない、売るときまで貸しておきたいという相談を受けますが、毎度ネックになるのはリフォーム費用です。移住してきてもらいたい地方自治体は、このような補助などを盛り込んでいますので、貸すことを検討する方は要チェックですね。
 
3.相続空き家の3,000万円控除
被相続人が居住していた不動産(土地、建物)を譲渡した場合、売った時の利益から上限3,000万円を控除できる特例です。これは、父または母が一人で暮らしていて相続が発生し、空き家状態の実家を売却する時の特例です。
 
適用要件はいくつかありますので、詳しくは下記リンクから確認ください。

早くしないと損するかも?相続空き家の3000万円特別控除をつかって空き家の実家を賢く売却する方法
 
 

空き家問題の解消方法

空き家
 

空き家問題の解消には、おおまかに「売却」「賃貸」「解体」があります。
本記事では売却について取り上げます。
 
先述したリスクは、空き家を売却することで解消され、更に固定資産税の負担からも解放されます。注意したいことは、「売れない可能性がある」ことです。人が住んでいるエリアだからと価格が付くと疑いもせずに思っている方が多いですが、住民が減ってきている地方圏、街から離れた山間にある実家などは、売りたくてもなかなか買い手が付かない場合があります。
 
空き家の売却には以下の方法があります。
 
(1)不動産仲介会社に依頼する

・時間をかけてでも1円でも高く売りたい人向け
・インターネットに掲載する
※誰もがその物件情報を手に入れられる状態のため情報の鮮度は低くなる⇒長期間売れないと、不動産会社から“売れない物件”という認識をされ、お客様に紹介してもらい難くなる。これを業界用語で晒し物件と言います
・売却後に費用負担が発生する場合がある
※契約不適合責任(以前は瑕疵担保責任と呼んでいました)といい、建物や設備の不具合や土地から廃棄物などが見つかった場合は、その補修や撤去などの費用を請求される
 
 
(2)不動産買取り専門の不動産業者に買い取ってもらう方法

・安くても良いから出来るだけ早く手放したい人向け
・売却後に契約不適合責任のリスクは負いたくない(業者が買うため責任負担なしとするケース多い)
・インターネットに掲載されず秘匿情報として扱われる(情報の鮮度が保たれる)
 
まず(2)の方法により実際に買い取ってもらえる価格、つまり時価を掴み、もし提示された価格や条件では希望に合わず売却したくないときは、(1)の方法に進むという方法を弊社は推奨しています。
(1)⇒(2)という逆の進め方は推奨しません。
ポータルサイトに掲載しても成約しない物件、しかも情報の鮮度が低い不動産は、業者は高値で買わないからです。
 
希望する売却価格に到達しないときは、今後維持する費用も考慮しながら判断したほうが良いでしょう。
固定資産税や管理費などの負担は、物件を保有している限り続きます。
 
たとえば、その負担総額が年間20万円だとして、10年保有したら200万円負担することになります。
 
しかも、10年後に価格が高くなればいいですが、人口が減少していく日本においては価格が上がり続けることは都心部以外に考えにくいので価格が下がるかもしれません。
このようなことも考慮して、今売却するのかを判断したほうが良いでしょう。
 
失敗事例から学ぶ!不動産相続で後悔しないために今からできる5つのポイント
 

まとめ

チェックリスト まとめ
 
今回のポイント

・空き家を放置していると、所有者は損害賠償責任を負ったり訴訟される可能性がある。
 
・空き家問題解消のために施策を打ち出しサポートしている地方自治体もある。
 
・空き家を売却するには「不動産仲介会社に依頼する」「不動産買取業者に買い取ってもらう」の2つの方法がある。

 
相続した空き家を放置していると
・損害賠償責任問題
・行政指導により固定資産税が最大6倍になる
・相続から3年を経過する12月末までに売却しないと譲渡所得税の減免を受けられない
・・・など、法律や税金の面で大きな負担が生じる可能性があります。
 
このような事態は、相続税の有無、資産の多寡に関係なく、相続する財産に不動産が含まれていると起こる可能性があるのです。財産が一戸建てやマンションしかないからといって何もせず放置してはいけません。
 

空き家問題を解決するには、不動産調査や活用方針検討、売却や有効活用、リフォームなどの実行など、最低でも3か月は時間がかかるでしょう。本記事で取り上げたようなトラブルなどにならないよう、まずは不動産や相続に明るい専門家に相談することを推奨します。
 
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この記事の監修
プロサーチ株式会社 代表取締役 松尾 企晴(まつお きはる)

20歳のとき母方の祖父母を火事で亡くし、祖父祖母の相続では兄妹間の争族に発展。『またいつか』ではなく『すぐにでも』行動しなければならないことや、どれだけ仲の良い兄妹でも揉めることを痛感。会社の事業理念に『家族の物語をつむぐ』を掲げ、不動産等のモノだけではなく、親や子に対する想いや思い出などのコトも含め、家族が織りなしてきた物語(モノやコト)を親から子へと継承していくことこそが【真の相続】と考え、不動産相続のプロとして、お客様の気持ちを聴き、寄り添う姿に多くの顧客から評価を得ている。
現在は全国から寄せられる相続に関する相談の解決に尽力しながら、家族信託の提案や、相続問題解決のヒントをメルマガ・セミナーなどで情報を発信している。

 

 

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