相続登記の義務化はいつから?怠ると10万円以下の過料?!施行までに備えておきたいポイント

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相続登記の義務化はいつから?怠ると10万円以下の過料?!施行までに備えておきたいポイント写真

2021.7.20

 
 
隣の家がずっと空き家のままで放火や不審者が居つくのではないかと不安。でも、所有者が分からず困っている。
ゴミが散乱している空き地がある。臭いもひどく何とかして欲しい。

 
このような所有者不明な土地は、日本全国になんと九州の面積を超えるほどあるようです。そんなに所有者不明土地があるのだと驚きませんか。
 
所有者不明の土地になってしまう理由はいくつかあります。
 
・土地の価値が低く、相続登記費用がもったいない
・遺産分割が整わずそのまま放置している
・誰も行ったこともなく自分のものという意識がなく相続登記しなかった ・・・など
 
現代は、持っているだけで不動産の価値が上がったバブル時代ではありません。資産価値は上がらず使い道もない、などの理由から所有者不明の土地はますます増え続けるでしょう。
 
そこで政府は歯止めをかけるために、不動産の相続登記義務化を決めました。
 
本記事では、相続登記義務化の内容と、相続後に慌てずしっかりと登記手続きするためのポイントをお伝えします。
 
今回のポイントは以下の通りです。
 

・相続した不動産の登記義務化が2024年を目途に施行され、これを怠ると10万円以下の過料を科される。
 
・相続登記をしないと①不動産の売却不可②不動産を担保に融資をうけることができない
③権利関係が複雑になる、などで困ることになる。
 
・相続登記をスムーズに終えるためには遺産分割が終わっている状態であることが重要。
 
・今からできる対策としては元気な今のうちに財産の情報を整え、遺言作成や遺産分割協議ができる状態しておくこと。

 
 

相続登記義務化の概要

住宅の模型を持つ女性、相続
 
相続登記義務化は2024年を目途に施行されます。
 

主たる改正内容
1) 土地を相続等で取得したことを知った日から3年以内に相続登記をする。
2) 正当な理由なく登記申請を怠ったときは、10万円以下の過料が科される。

 
 

過料が設定されることから、相続登記を浸透させることを政府が本腰入れているのが分かります。
 
 

相続登記義務化の気になるポイント


 
今回の改正内容から気になるポイントを3つお伝えします。
 

 法務局は相続の発生をどうやって知るの?

相続が発生したことを法務局(相続登記申請を受ける行政機関)が知る仕組みとして、住民基本台帳へのアクセスができるようになるようです(法務局内部のみの利用)。
 
このように行政側に相続が発生したことを把握されていますので、相続登記を申請しなかったら、いずれ催告書が届きます。
 
 

 遺産分割がまとまらず3年以内に相続登記できなかったらどうなる?

このようなケースを想定し、『相続人申告登記(仮)』が創設されます。この申告登記を法務局に申請することで、相続が発生したことと、当該所有権(不動産)の登記名義人の相続人であることを申し出たこととなります。これにより、「相続登記の義務を履行した」とみなされます。
 
そして、遺産分割協議を終えた日から3年以内に相続登記をすれば、当然10万円以下の過料もなく、相続登記の義務を果たしたこととなります。
 
 

 改正前(2024年以前)の相続も登記が必要?

改正前後の相続発生に関わらずすべての相続登記が義務化されます。
2021年の相続でも、2000年の相続でも、その以前でも義務化の対象となるということです。(追加情報があり次第更新します。)
 
 
 
改正内容についての条文など詳しく知りたい方は、法務省のホームページからご覧ください。
 
 

 
 

相続登記はなぜ必要なのか

疑問
 
今回の義務化は所有者不明土地を減らす目的ですが、それ以外にそもそも相続登記はした方が良いのでしょうか?
 

 売却できない

相続登記をして所有者(相続人)を確定しないと売却できません。
 
亡くなった方を売主とすることはできませんから、必ず相続登記を完了させなければなりません。
 
 

 不動産を担保にできない

亡くなった方へお金は貸せませんから、相続登記をして所有者を確定してから金融機関は担保設定(融資)に応じることができます。

 

 権利関係が複雑になる

相続登記しないまま年数が経過すると、その相続人に相続が発生するのを繰り返して、気付けば相続人の数が増えています。
 
相続登記申請に必要な遺産分割協議書は、相続人全員の署名押印が絶対に必要ですから、相続人の数が増えれば増えるほど、相続人を特定する作業や署名押印を貰うための説明なども大変になります。
 
私は最大100名というのを見たことがありますが、弁護士等の法律の専門家の協力があっても相続登記までたどり着くのは相当厳しいでしょう。
 
 
 
相続登記がなぜ必要なのか、代表的な理由3つをお伝えしました。
相続登記を済ましておけば、スムーズに売却手続きができたり、融資申請ができます。義務化されたから相続登記をするのではなく、自分はもちろん、次世代にも面倒な事がおきますから、そもそも相続登記はやっておくべきことなのです。
 
 
 

今のうちに準備しておくこと


 
相続登記の申請をするには、被相続人や相続人の戸籍や身分証明書などの他に、原則、『遺言』又は『遺産分割協議書』が必要です。
 
つまり、遺言にしても、遺産分割協議にしても、相続登記をスムーズに終えるためには遺産分割が終わっている状態であることがポイントです。
 
遺言を書き始めるにも、遺産分割協議をスタートさせるにも、必ず必要なものがあります。それは被相続人の財産明細です。
 
なにをそんな当たり前のこと…と声が聞こえてきそうですね。では皆さんに質問です。
 

≪問1≫ 
親:自分のすべての財産を相続人(配偶者や子)に伝えてありますか?
子:被相続人(親)の財産をすべて知っていますか?
 
≪問2≫
親/子:
その財産の相続税評価額、時価、問題点、維持費などもすべて知っていますか?

 
 
みなさんいかがですか?
財産の場所は知っていても、評価額など肝心な部分は知らないという方が多いのではないでしょうか。
 

このような財産の情報が整っていると、遺言作成や遺産分割協議をスムーズに開始できます。
皆さん自身で問2の評価算出や問題点の抽出などができればよいですが、大変そうであれば専門家に相談するのがよいでしょう。
 
どのような専門家がよいかというと、
不動産の評価額や時価算定、問題点の抽出等は相続に詳しい不動産会社、
有価証券や金融機関口座の整理、評価算出は相続に精通した税理士、などです。
また、生命保険契約は生命保険会社の担当者に資料請求するなど、まずは情報を集めることが重要です。
 
 

まとめ

 

・相続した不動産の登記義務化が2024年を目途に施行され、これを怠ると10万円以下の過料を科される。
 
・相続登記をしないと①不動産の売却不可②不動産を担保に融資をうけることができない
③権利関係が複雑になる、などで困ることになる。
 
・相続登記をスムーズに終えるためには遺産分割が終わっている状態であることが重要。
 
・今からできる対策としては元気な今のうちに財産の情報を整え、遺言作成や遺産分割協議ができる状態しておくこと。

 
 
相続登記をせずにいると何が問題になるのか、お分かりいただけましたか?
 
遺産分割協議で揉めたらいつまで経っても相続登記は出来ませんし、不動産の売却等が一切できなくなります。
 
相続登記は「相続を終えた後の名義変更手続き」ですから、まずは遺産分割などの相続をしっかり終えることが重要なのです。
 
不動産と相続登記のことは、これらに精通している司法書士や不動産会社に相談しましょう。
 
 

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この記事の監修
プロサーチ株式会社 代表取締役 松尾 企晴(まつお きはる)

20歳のとき母方の祖父母を火事で亡くし、祖父祖母の相続では兄妹間の争族に発展。『またいつか』ではなく『すぐにでも』行動しなければならないことや、どれだけ仲の良い兄妹でも揉めることを痛感。会社の事業理念に『家族の物語をつむぐ』を掲げ、不動産等のモノだけではなく、親や子に対する想いや思い出などのコトも含め、家族が織りなしてきた物語(モノやコト)を親から子へと継承していくことこそが【真の相続】と考え、不動産相続のプロとして、お客様の気持ちを聴き、寄り添う姿に多くの顧客から評価を得ている。
現在は全国から寄せられる相続に関する相談の解決に尽力しながら、家族信託の提案や、相続問題解決のヒントをメルマガ・セミナーなどで情報を発信している。

 

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