公示地価は上昇、不動産市場は下落!?その要因と専門家が気を付けること

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3月19日に公示地価の発表がありました。 
 
巷では、2020年のオリンピック開催に向けて不動産価格はピークを迎えるのでは?と言われておりますが、今回の公示地価はどうなったのでしょうか?
 

全国の全用途(住宅地・商業地)は1.2%プラスとなり、4年連続で上昇。ピークだった1991年の4割程度まで戻ってきました。 
都市部では上げ幅が拡大し、地方でも住宅地が27年ぶりにプラスに転じるなど明るい兆しが見えつつあります。
 
注目すべきは、やはり商業地域です。
全ての地域において上げ幅が大きく上昇しており、伸び率の大きさで言えば、景気の良かったリーマンショック前に次ぐ高い伸び率となっています。
 

好調な結果の要因は?

その要因となっているのは、外国人観光客の増加です。
 
足元で外国人観光客数は右肩上がりで伸びており、2018年は約3,100万人が日本を訪れています。この数字、政府は2030年までに倍の6,000万人になると試算しているようです。
 
観光客が日本で行うことの多くは、都心の商業施設での買い物や地方の観光地を巡ることなどでしょう。人が多く集まるところには大きなお金が動きます。このように人もお金も多く集まる場所の不動産取引きは活性化し、その価格が高くなる(収益性が高まる)のは当たり前です。それが顕著に表れているのが商業地域なのです。
 
また日銀の金融緩和でREITに流れた多額のお金が、都心や観光地の不動産に投資されていることも上昇に拍車を掛けているようです。
 
今回の結果だけ見ると非常に良い結果のため、これならまだ地価は上がっていきそうだ!と期待されている方もいるのではないでしょうか。
 
しかし、ここで注意しなければいけないのは、公示地価の算出は昨年の取引データを基に、今年1月1日時点で算出されているため、今現時点の市況に合ったものかどうか限らない(タイムラグがある)ことです。
 
 

現場に見る不動産市況

では今、不動産の現場ではどのようなことが起こっているのでしょうか。
人口減少?空き家問題?様々な問題が起きていますが、今一番深刻な問題は「銀行の不動産融資引き締め」問題です。 
 
今般の相続税対策ブームの火付け役でもある、金融機関やアパート建築会社などがこぞって賃貸需要が込めないエリアにもアパート建築を進めていきました。その結果、金融庁から、この実態に見合わない融資をするのはダメだ!というお達しが金融機関に回り融資引締めが始まりました。(これにより個人への不動産融資は大きく減少)また、事業用不動産への不正融資問題で更に融資環境が厳しくなってきています。 
例:(従来)耐用年数を超えた融資可能 ⇒(現在)耐用年数以下でしか融資不可
  (従来)フルローンでの借り入れ可能 ⇒(現在)頭金2割以上を求められる
 
こうした金融の動きの変化は、不動産景気を語るうえで大変重要な要素です。
銀行からのお金の供給が少なくなれば、不動産を買える人(融資を受けられる人)が少なくなり、価格下落に繋がります。
 
一般住宅におけるローンに影響がないのでさほど感じないかもしれませんが、アパートなどの投資物件への個人投資家への融資がつかず、契約してもローンが通らず解約になる現象が目立っています。また、物件仕入れ事業者の買取もかなり慎重(エリア限定、駅近のみ等)で、私どもの周りの不動産業者は買いよりも売りに転じ始めています。調整局面ですね。
 
 

専門家としてお客様に伝えること

公示地価(資産価値)が上昇した場合、気を付けなければならないのが路線価(相続税評価)の上昇です。
相続税評価額は路線価で計算されますが、公示地価のおよそ80%と言われているため、公示地価が上がるということは必然的に路線価(相続税評価)も上がるということです。
 
先に述べた通り、今後、不動産の時価はピークを迎え下落する可能性が高く、路線価は今回の公示地価につられ、おそらく上昇するでしょう。
そうなると相続税評価額(≒税負担)は上がり、不動産時価は下がるという関係になり、相続税の納税を不動産の売却代金で考えている方は、納税資金が足りなくなってしまう可能性があります
 
数年前に相続税試算し納税対策が完了している方、もう一度、見直しをしたほうが良いでしょう。納税資金が足りない!では笑えませんから。今のうちにもう一度。
 

相続対策の見直し

弊社のお客様で、5年前に相続対策をされたお客様(杉並区のお客様:父母と子供3人)がいました。対策した内容は、不動産の組み換えをして評価を圧縮し、納税資金は一部農地(市街化農地)を納税財源とし、相続時に売却し納税する予定でした。
 
改めて資産を見直してみたところ・・・
・対策後から路線価が全体で15%も上昇
・納税用の土地の時価はほとんど変わっていない。
・不動産の賃料収入で現金が3,000万円も増えていた。
※細かい計算は省きますが、5年前から何と5,000万円も相続税評価がアップ!
 
しかし、不動産を使った対策は既におこなっており、これ以上不動産はなかなか動かせない。
そのため、賃料収入で増えた3,000万円について、追加の相続対策をすることになりました。
不動産を使って大きく節税を狙っていきたいけど、管理の手間が増えるのは嫌だし、借り入れをするのにも不安があるというお客様。
 
そこで今回は、小口化不動産を活用したご提案をさせて頂きました。
※小口化不動産の詳しい内容はこちら↓

相続対策として効果有り?購入希望殺到の不動産小口化商品とは!?


 
所有者の負担も増えず(手間感は株の投資に似ている)、必要な分だけ相続対策をおこなえるため、追加の相続対策(また少しでも相続税を下げたい人)の選択肢としては有効的な手法となります。
(小口化不動産は一選択肢であり、その他ご要望に応じて最適な提案が出来ます)
 
過去に相続対策をしたから安心!と思っているお客様はいらっしゃいませんか?
特に都心や主要都市、訪日外国人が良く訪れる観光地などに不動産をお持ちで、5年以上前に相続対策した人は要注意です。まず確実に追加対策が必要と考えて頂いていいでしょう。
 
不動産や相続に携わる専門家として、お客様の大切な財産を守ることは重要なミッションです。このブログを読んだ方で共感していただけましたら、ぜひ一緒に取り組みましょう!
 

遺産相続コンシェルジュより

今回の公示地価の結果は、不動産マーケットが回復基調であることの現れです。しかしそのデータは本当に「今」を反映したものとは限りません。マーケットは刻々と変化していますので、常に現場ではどうなっているのかとアンテナを張っている必要があります。
今、マーケットは転換期を迎えようとしています。過去に相続対策をされた方もそうでない方も、きちんと自分の資産を見直し、将来ご家族が困らないように備えておくことをお勧めいたします。(記:友重孝一朗)
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