想定内だった相続税路線価。気になる不動産市況は!?

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想定内だった相続税路線価。気になる不動産市況は!?写真

令和元年7月1日 国税庁から相続税路線価公表

このメルマガをご覧になっている方はすでにご存じだと思いますが、今月、令和元年の相続税路線価が発表されました。
 
全国約32万地点の標準宅地は2018年比で平均1.3%のプラス!
そして、平成4年以降初めて4年連続で上昇し、その上昇率は直近4年で最も高くなりました。
 
 

(参考:日本経済新聞)
 
 
令和になって初の相続税路線価を少し見ていきたいと思います。
 
【全国版】

1.都道府県庁所在都市の最高路線価TOP3

 1位:東京都   銀座5丁目  4,560万円/㎡
 2位:大阪府   御堂筋    1,600万円/㎡
 3位:神奈川県  横浜駅西口  1,160万円/㎡  …名古屋、福岡、京都と続く

34年連続でトップの座を守り続けている銀座鳩居堂前。この価格、銀座は畳2枚分の広さで1億5千万円!(大人が“大の字で寝られる”くらいの広さ)
すでに㎡単価はバブル期を超えており、2位を大きく引き離しての圧倒的な差です。これも昨年も続いていたインバウンド効果による影響で更に上がった、ということでしょう。
 
私のお客様でも、実際に銀座で不動産を購入したくても物件を探すのでさえ一苦労で、見つけたら即座に買わないと逃がしてしまうというくらいです。需要と供給の状態を考えれば、銀座周辺は今後も特に下がらないのではないでしょうか。
 

2.都道府県庁所在都市の最高路線価の変動率で見るTOP3

 1位:沖縄県   那覇市国際通り  変動率39.20%
 2位:大阪府   御堂筋      変動率27.40%
 3位:兵庫県   三宮センター街  変動率25.00%  …熊本、京都、北海道と続く

 ※対前年比での上昇率TOPは昨年と同様にニセコでした。

沖縄県那覇がこの分野での変動率トップでした。2017年の観光客数がハワイを抜き、アジアNo.1の観光地を目指していることもあって沖縄の開発(主にリゾート系)は凄まじいものがあります。東京の不動産会社もこぞって沖縄に進出していますよね。
高級リゾートホテル等がこれからたくさんOPENしますし、どうやらハワイに負けている『滞在日数』『消費金額』を伸ばすことが狙いのようです。
 
今回、路線価の上昇率が高かったエリアの特徴は、前年に続き、観光地としての力があるかどうか、すなわち人が集まる魅力的なところです。秋田や福島などの地方では主要駅前の大開発に力を注ぎ、『魅力あるエリア(駅前を魅力的に)』を造ろうとしているようで、効果が表れているところも。
建物を造るだけではなく、訪れた人に『伝えたいことを体感』してもらうような動きが増えてきているように感じます。
 

不動産バブルは終焉!?足元で起きていること

このように地価は上がり続けていますが、実際のところこれからどうなるのでしょうか。
 
私の自宅は東京都世田谷区で駅から12~13分の所にありますが、目の前の路線価が昨年より1㎡あたり3万円(坪10万円)も上昇していました。日ごろ私どもがお話する機会のある不動産事業者(仲介、買取、マンションやリゾート開発、賃貸等。大手、中小規模)からは、【不動産市況の潮目が変わった】という声が聞こえてきています。
統計だけではなく、現場の声(一例)から見てみたいと思います。
 
 

担当者目線でのポジティブなコメント
 ・東京のオフィス需要は堅調で物件が足りなくて困っている!分刻みでお客様のアポがある状態。
 ・不正融資問題等を契機に売りたい人がたくさん出てきた。所在地が都内なら売れるはず。
 ・100億円クラスの収益物件はよく売れていて、買いたいのに買えていない。 

 
 

担当者目線でのネガティブなコメント
 ・仕入れ基準が一層厳しくなった。駅から見える土地ではないと買えなくなるのではないか。
 ・収益物件の1億円~3億円帯は動きが相当鈍い。融資審査の厳格化の影響が出ている。
 ・社内は、売りモード(転売業者)。買う基準が厳しいため、まずは売り抜いて様子を見ている。

 
 
私が感じている『雰囲気』は、予想通りもうピークは過ぎたという印象です。主たる理由は、厳しいことを言う業者が非常に増えたことと、金融の締め付けです。
元々、不動産と金融機関は密接な関係にありますから、金融機関が蛇口を閉めだしたら(融資厳格)、購入プレイヤーが減り、必然的に売り物があふれ(供給過多)、価格は下がります。このような状態が、もうあちらこちらで起きているのです。
 
今回のバブル終焉(が訪れたら)では、前バブル期のような『日本全体が下がる』のではなく、リーマンショックのような『特定のエリアで下がる(首都圏や地方都市の一部以外)』でもなく、『【何丁目街区、何丁目通り、オンリーワンの物件(その地域で一番良い立地、一番の規模など)】は価格変動に大きな影響なく推移し、それ以外の不動産はかなり厳しい時期を迎える』のではないかと予想しています。
 

これからの不動産マーケットで生き抜くために


不動産は『持つモノ』から『使うモノ』へ。
不動産業界は変革期に突入しており、金融業やIT企業(「OYO」などもそうですね)等の参入によって、新しい価値観を創り、提供し、うねりを上げて日々変わり続けています。
新しいモノ・サービスが次々に生まれ、不動産の概念も大きく変わりつつあり、実際に不動産フェアなどで不動産テックや他業種が展開する不動産サービスの情報提供も日に日に増えています。
 
相続税路線価等の指標は『取引の結果を集めたもの』です。
これらの指標で不動産の価値が決定するような時代は終わり、今後は『どのように使うか(使えるか)』が、不動産価値を決めるようになっていくでしょう。
 
ですがお客様の多くは、使うと言っても、路線価や相場データ程度の情報によって、住む・貸す・売る等の選択肢しか持っていません。
私たち専門家の役割として、データはAI等に任せておいて、『これからはこういう使い方をすれば価値が上がる、こうすれば使う人をたくさん集められる』といった新たな切り口を提案し、不動産マーケットで生き残る力を提供していく必要があります。
 

遺産相続コンシェルジュからのアドバイス

相続税路線価の動きを見ると、昨年はお金がどこに流れていたのかが分かりました。今回のタイトルの通り、不動産会社・金融機関の動きをチェックしておけば、相続税路線価の結果も想定できます。
しかし、これからは新規参入業者やその業態も確認しなければ、先を読み生き抜くのが難しくなります。
 
また、少子超高齢化社会である日本なのに、アパートの審査基準で『高齢者の一人暮らし』が厳しく落とされることが多い現状を考えると、業界だけではなくお客様(オーナー)の考えも旧態依然だと言わざるを得ません。
例えば『65歳以上限定!健康で元気になる家』という物件があったとしたら、申し込みが殺到するのではないでしょうか。
斬新で、今までにないサービスがこれから多数出てきます。あとは『どう使うか』です。(記:山田大地)
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