新型コロナウイルスから見る今後の不動産市況

Pocket



新型コロナウイルスから見る今後の不動産市況写真
2020.3.31

 
現在、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)関連のニュースを聞かない日はないほど、世界的な社会問題になっています。
皆様の中でも、自分や家族がいつ感染するかわからない、いつ終息するかわからない恐怖と、経済への影響に対する心配が日に日に大きくなっているのではないかと思います。
 
東京オリンピック開催による景気拡大を期待していた局面での、新型コロナのパンデミック。
そして、東京オリンピックの延期決定。
 
新型コロナは不動産市場にどんな影響を与えるのか?
また、私たちは専門家として、お客様に何を伝えていけばよいのでしょうか。
 

強い影響を受けるホテルと店舗ビル

不動産業界で特に強い影響を受けているのは、ホテル業界と飲食ビル業界でしょう。
 
外国人観光客の増加に伴い、または増加を見込んで増え続けてきたホテル。
マンション開発業者との土地取得の価格競争が激化し、大都市や観光地ではホテルバブルが起きていました。
 
しかし、この新型コロナの感染拡大で大きな打撃を受けています。
実際に京都のホテルでは稼働率が5割以下に低下、沖縄に至っては3割台に割り込んでしまうと言われています。
 
■京都市内のホテル稼働率
2020/3/6 日本経済新聞より
 
■沖縄県内のホテル稼働率

※沖縄タイムス紙より
 
こうした影響を一番大きく受けているのは地方にある観光地の小規模ホテルであり、背景として、地方は訪日客への依存度が相対的に高いために起きています。
 
飲食業界も大ダメージです。
銀座や横浜で飲食店を経営しているオーナーと話す機会があり、「金曜日でも全く人が入らない。学生など若い人たち向けの店舗はまだ良いが、ビジネス関係向けの店は壊滅状態。あと2ヶ月も同じことが続いたらどうなるか分からない」とのこと。
そんな状況のため、ビル管理会社に家賃交渉(支払いを遅くしてもらう等)をすると言っていました。
 
一方、店舗ビルを管理する不動産管理会社に聞くと、店舗ビルのテナントからの家賃交渉や退去に向けた問合せの電話が鳴りっぱなしで、その対応に追われているとのことでした。
 

不動産価格に与える影響


新型コロナによって上記の影響を受ける不動産においては、ホテル建築計画の白紙化(土地のまま転売)、店舗ビルを先々売ろうと考えていたオーナーが売り急ぐ、という物件が増加していくでしょう。
 
土地については、これまで都心や観光地の土地売買を主導してきた(高値で買ってきた)ホテル事業者が経営不振や事業見直しで購入しなくなる(高値で買えなくなる)ため、ここ数年伸び続けていたホテル立地の土地価格が落ち着く可能性があります。
ただ、価格が下がるというよりは、上がり続ける前の価格に戻るといったイメージかもしれません。
 
店舗ビルは、賃料の下落やテナントの退去による収益の低下により、賃貸経営が厳しい状況になるため、売り抜けようと売却意向が強くなることが想定されます。
ただ、収益が下がっている分、価格の交渉や下落は避けられないでしょう。
逆に言えば、去年一昨年と売却して潤沢な資金がある投資家は、やっと来たチャンスとばかりに市場に積極的に介入してくる可能性が高いです。
 
ただ、投資家や転売事業者等のプレイヤー全員が購入できるかというとそうではありません。ハードルになるのは融資の問題です。
一昨年のスルガ銀行などの不正融資問題以降、不動産融資を得にくい状況にありましたが、更に現在は新型コロナの影響を受けた企業等への融資が優先となり、不動産への融資が下りない(融資の承認が得られるのに時間が掛かる)といった事案が発生してきています。
今後、リーマンショック時のような銀行の貸し渋りが進んだ場合、不動産価格の下落に拍車がかかるかもしれません。
 

プロとしてお客様に伝える事

リーマンショックや東日本大震災のときと同様に経済不安が続く中でも、プロとしてお客様に対して、問題解決のために資産をどう持つべきか(売るべきか・買うべきか・どう残していくべきか)を考え、伝えなくてはなりません。
必要であれば、各資産に詳しい専門家に相談するなどして、お客様のコンサルにあたる必要があります。
 
不動産は世間の空気感や雰囲気で値動きするともいわれております。不動産仲介会社からしたら、まさに今の状況はお客様に『売らせる』『買わせる』チャンスと言えるかもしれません。
しかしながら、本当のプロとしては、お客様が持つ不動産の特徴を理解し、適正な情報提供(不動産によりマーケットが異なる)をしなければなりません。
 
 

行動する前に最低限行う5つのこと
・不動産の詳細調査(時価算定、ポテンシャル、問題点抽出など)
・ターゲットや手法の精査(売却も賃貸、建築も)
・対策目的策定と期待効果の検証 
・各種活動項目の洗い出し、それらスケジュール策定
・内容に合わせ専属チーム組成(税務法務のサポートなど。専門家一人で抱えないこと)

 
 
特に不動産は、不動産自体の特徴然り、所有者やその家族の想いや考えにより、何をすべきか、又は不動産投資等のスタンスも大きく変わってきます。
不動産対策を考えているお客様がいらっしゃる場合は、上記の項目について確認されたほうがよろしいでしょう。
 
プロサーチでは、ご家族の想いや考えも大切にした不動産等の対策を心掛けております。いつでもお問い合わせ、ご相談ください。
 

遺産相続コンシェルジュより

プロサーチでは、上記5つのポイントのサポートをしております。
またその他に、不動産や相続の対策については、家族で取り組むことを強く推奨しております。家族会議にも積極的に参加し、必要なソリューション(個別ヒアリング、家族間の情報格差解消など)を提供しております。
 
今後もいつ何時、どのような災害やトラブルが発生するかわかりません。
有事の際に、柔軟且つスピーディな対応を取れるように心がけ、常に準備をしておくことが大切です。(記:友重孝一朗)
Pocket

無料冊子ダウンロード