家族信託ってなに?概要や仕組みをわかりやすくイラスト解説!

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家族信託ってなに?概要や仕組みをわかりやすくイラスト解説!写真

2020.11.24

 
家族信託とは、財産管理の手法のひとつです。
この言葉には「信頼する家族に自分の財産を託す」という意味が込められています。
 
では、自分の財産を託すとはどういうことなのでしょうか。
託すとどんなことが起こるのでしょうか。
 
本記事では、円満な資産承継を叶えるために検討しておきたい家族信託の基本や後見制度との違いなどをわかりやすく解説します。
 
今回のポイントは以下の通りです。
 

・家族信託とは、認知症などによる財産凍結から、家族と財産を守る制度。
 
・家族信託ができるのは一般的に換価できるすべての財産である。
 
・家族信託と後見制度の違い
 
・配偶者や子どもに財産のことで迷惑をかけないよう70歳を節目に財産管理の一つの手段として考えてみる。

 
 

はじめに

家族信託のことより理解できるようにするため、以下の3つを頭の中に入れてから本記事を読み始めてください。
 
・家族信託を、“信頼する家族に託す”と頭の中で変換する。
 
・家族信託と金融機関等が事業として行う遺言信託や商事信託等とは全く別物。
 
・財産を託す家族の名前を思い浮かべる。
 
 

家族信託の仕組み

家族信託とは「親名義の資産について、管理等の方法を指定し、子どもに託すこと」です。
 
身近な例えでいうと、親が熱で寝込んだとき、子どもにお金を渡して近くのスーパーでお買い物を頼んだり頼まれたりしたこと、一度はありませんでしたか?
 
これって【親が、子どもにして欲しいことがあって、自分のお金を、子どもに託した】ことになりますよね。この考え方と家族信託は一緒だと思ってください。
 
それでは、家族信託をするに当たって登場する人や役割などについて、一番典型的な形で説明します。
 
親が財産を持っていて、子ども一人にその財産管理を託し、財産から得られる利益は親が得るというものです。
 
主な登場人物は2人、役割は3つです。
   
家族信託
 

 
登場人物
呼び名
役割
財産を預ける人
委託者
子を信じ託す
財産を預かる人
受託者
託された財産を約束どおり管理する
収益を得る人
受益者
賃料や売却代金などを得る

 
まず親は自分名義の現金や不動産を子どもに託すと決め、どのように管理するかを話し合い、その内容を契約書にします。これを家族信託契約と呼びます。
 
 
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家族信託と後見制度との主たる違い

手をつなぐ家族
 

認知症になってしまったときの財産管理で調べると成年後見制度(以下、「後見制度」という)がでてきます。では、この家族信託との違いってなんでしょうか。
 

1.財産管理、相続対策

家族信託は、家族の意思判断で契約内容に基づき自由に相続対策等ができます。
後見制度は、裁判所が関与し、本人の身上や財産の保護に特化しているため相続対策を進めることは殆どできません。
 

2.費用

家族信託は、契約時に費用が掛かり、継続的な支払いをしなくてもできます。(子どもに報酬を支払うという契約内容にすることはできます)
後見制度は、申請時に医師の診断費用などが掛かり、司法書士など専門家が後見人として継続的に携わることが多いため、財産額に応じ月2万~の費用がかかります。
 

3.途中解約

家族信託は、契約当事者間つまり親子の合意等により解約することもできます。
後見制度は、原則その本人が亡くなるまで止められません。
 

4.取消権

家族信託は、取消権がなく、認知症の親が行ったことを取り消せません。
後見制度は、後見人は本人がした契約などの法律行為を無条件に取り消しできます。
   

財産管理の自由度に特化した家族信託と、本人の身上監護に特化した後見制度。どちらも目的が違うので、家族信託(財産)と後見制度(身上)の両方を使うお客様もいます。
 
 
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家族信託できる財産は?

財産
 
一言で簡単に言うと“一般的に換価できる財産の全て”です。
 
例えば、不動産、現預金、株式、有価証券、生命保険、仏像、絵画などが該当します。
 
逆に家族信託できないものは、個人に属するもので、例えば、税理士などの資格や身体、家紋などです。
 
ただし、実務上で家族信託に対応している財産は不動産くらいです。現預金については、金融機関は家族信託に柔軟に対応していません。金融機関にその理由を尋ねると、“親名義の口座を子が管理するということにシステム自体対応していない”“金融機関窓口の担当者まで家族信託を理解させるのが大変”などがあるようです。
 
これは証券会社も同様で、最近ではいくつかの証券会社が家族信託に対応し始めましたが、まだまだ広まっていないと言えるでしょう。
 
肝心の現預金管理ができないと大変ですから、現状は、『子ども名義の口座を作り、それを家族信託用の口座として利用する』ことで対応しているというのが実態です。
 
※親の現預金を子ども名義の口座に移しても贈与にはなりません。
※親より先に子どもがなくなったらその口座にある現預金は子の遺産扱いにはなりません。
 
 
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家族信託で得られること


 
このように家族信託を締結することで、得られることがあります。
代表例を2つご紹介します。
 

1.財産管理に対する安心感

親が認知症になって意思判断能力が喪失すると契約行為が一切できなくなります。家族信託をしていたら、その契約行為自体を子どもに託しているので、親が認知症になっても親の資産を子の名前で管理や売却などができます。
家族信託によって出来ること:不動産売却、現金管理、資産移転を伴う相続対策など
 

2.子どもへの財産管理トレーニング

子は親の相続で突然財産を得るケースが多く、その財産管理に困ってしまうこともあります。
親が元気なうちに、親と子の二人三脚で伴走しながら財産管理を行うことで、スムーズな承継ができます。
 
親が認知症になって困るのはその子ども、つまり家族です。
家族信託を考えるということは否応なしに認知症の時のリスクにも向きあうことになります。もし向き合うことができたら、子どもは親の認知症のときどうしたら良いか悩むことが減ります。これも得られることの一つだと思います。
 
ただ、親は自分自身ボケないって考えていますし、子どもからも言い難い。
実際私も母に認知症になったらどうすると聞いた瞬間に『私はボケないわよ!失礼ね!』と怒られた経験があります。
 
ですので、親が認知症になって困ることや叶えたいことから考えるようにすることが大切です。
『もし、一年前に認知症になっていたら今どんなことに困っているかな?』と親や子に聞いてみてください。家族が生活資金に困るのは嫌だなとか、お金に困らない豊かな老後を過ごし続けたいという想いが聞けるでしょう。その想いが聞けたら、「幸せな老後を迎えるために何をすべきか」を話し、家族信託を検討するきっかけにもなるかもしれません。
 

 

まとめ

今回のポイントはこちら。
 

・家族信託とは、認知症などによる財産凍結から、家族と財産を守る制度。
 
・家族信託ができるのは一般的に換価できるすべての財産である。
 
・家族信託と後見制度の違い
 
・配偶者や子どもに財産のことで迷惑をかけないよう70歳を節目に財産管理の一つの手段として考えてみる。

 
家族信託は、親が元気なうちにしかできません。亡くなる直前まで元気ならいいのですが実際はそうではありません。健康寿命というものがあります。
 
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」です。厚生労働省の調べによると、2016年において、平均寿命と健康寿命との差は、男性72歳から8.84年、女性は75歳から12.35年だそうです。つまり、健康ではない期間がおよそ10年続くということです。
 
もしその期間に認知症になってしまったらどうなるでしょうか。
意思判断能力がないと診断されてしまえば、その後財産は凍結されてしまい、財産管理に支障が出てしまいます。
 
配偶者や子どもに財産のことで迷惑をかけないよう、遅くとも70歳を契機に家族で財産管理のことを話し合っておくことが重要ではないかと思います。家族信託の相談は、家族信託に詳しい専門家に相談してください。
 
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この記事の監修
プロサーチ株式会社 代表取締役 松尾 企晴(まつお きはる)

20歳のとき母方の祖父母を火事で亡くし、祖父祖母の相続では兄妹間の争族に発展。『またいつか』ではなく『すぐにでも』行動しなければならないことや、どれだけ仲の良い兄妹でも揉めることを痛感。会社の事業理念に『家族の物語をつむぐ』を掲げ、不動産等のモノだけではなく、親や子に対する想いや思い出などのコトも含め、家族が織りなしてきた物語(モノやコト)を親から子へと継承していくことこそが【真の相続】と考え、不動産相続のプロとして、お客様の気持ちを聴き、寄り添う姿に多くの顧客から評価を得ている。
現在は全国から寄せられる相続に関する相談の解決に尽力しながら、家族信託の提案や、相続問題解決のヒントをメルマガ・セミナーなどで情報を発信している。

 

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