越境物とは?不動産売買に潜むトラブルを未然に防ぐポイント

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越境物とは?不動産売買に潜むトラブルを未然に防ぐポイント写真

2021.2.2
更新 2021.8.24

 

みなさんに不動産売買の掟をひとつお伝えします。
 
それは『売買代金を受け取るまでは安心してはならない』ということです。
 
売買契約をすれば「取引は終わったようなもの」と安心しきってしまう方がいます。
 
しかし、不動産売買では売主も気付いていない問題が潜んでいることがあるのです。
 
その問題のせいで不動産の状況が悪くなると、売却価格が下がったり、取引条件が変わってしまうなどにより、せっかく結んだ契約が解除にいたることもあります。
 
今はまだ不動産を売る予定が無い人でも、いつか来るそのときに備えて準備が必要です。
 
本記事では、数多くある不動産問題のうち「よくある越境物によるトラブル」を取り上げます。これを読むことで、不動産取引で損しないための事前対策について知ることができます。
 
 

今回のポイントは以下の通りです。
 

・「越境」とは、所有物が隣地に侵入していることをいい、隣地から自分の土地にそれらが侵入してきている状態を「被越境」という。さらに、越境している物を「越境物」「被越境物」と呼ぶ。
 
・境界を越えて敷地内に侵入している越境物は、目視で確認できない場合もある。わずかでも越境し、それが解消できないと不動産売買契約の解消や売却価格の下落につながる可能性がある。
 
・不動産所有者が売却するまで気付きにくい問題は「土地境界点の位置」や「地中に埋蔵物があった」「増築したら違法建築物になってしまっていた」など意外と多い。
 
・トラブルを回避するために今からできる対処法のポイントは「【土地】と【建物】の現状を知ること」「問題点を抽出し、その問題解決方法を検証しておくこと」である。

 
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越境と越境物とは?

境界

 
「越境」とは、家屋の一部や、ブロック塀、樹木の枝葉、旧排水管やガス管などの所有物が隣地に侵入していることをいいます。

 
逆に、隣地から自分の土地にそれらが侵入してきている状態は「被越境」です。
 
越境している物を「越境物」「被越境物」と呼びます。
 
越境物は、目視ですぐ分かることもあれば、土地測量や土地を掘るなどをしてはじめて分かる場合もあります。
 
建築や購入した直後であれば不動産会社の説明を覚えているので把握していると思います。しかし、数十年前に購入した、あるいは相続で取得した場合は、忘れていたり把握していなかったりすることが大半です。
 
仮に越境物があったとしても、隣地の方から何も言われなければ生活するうえで全く困らないので問題意識もなく、そもそも越境状態に気付いていないかもしれません。
 
しかし、問題が顕在化する瞬間があります。
それは、【越境物の解消が条件】とした売買や建て替えのときです。

 
『家を売るために今すぐ解決したい本人』
『別に急いで解決する必要のない隣人』
このような意識の差があるので、強引に解決しようとするとトラブルに発展します。
 
 
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越境物トラブルが価格減額や契約解除などの問題に発展することも?

住宅街
 
樹木の枝葉や越境物があっても不動産を売却できるでしょうか?
答えは「買主がOKすれば売却できる」です。
 
しかし、「越境物によって建築や利用に支障がないこと」が売買条件になると話は別で、売買価格の減額や売買契約解除なんてこともあり得ます。
 

実例をもとに詳しくお伝えします。
 

 実例:20㎝の越境物で契約解除!?

 

売  主:個人(A)
買  主:不動産会社(B)
売却理由:実家を相続したが使う予定がない
契約内容:売買契約締結日から不動産引渡し日までの期間は3ヶ月
     隣地との土地境界を確定させる(完了できないと契約解除)
     建築に支障がでる重大な被越境物があるとき解消すること
     ※被越境=隣地から売却対象地へ越境物がある状態

  
このような内容で売買契約を締結したあと、目視では確認することが難しい場所に20㎝程度の屋根や雨樋が被越境していると土地測量中に判明しました。
  
この事実は売主Aさんも隣地所有者さんも知らなかったことで、売主Aさんは「隣地の家の屋根が越境してきているけど大丈夫ですよね」と言っていました。
 
この隣地の屋根の一部が売買対象地にかかっていることで、その隣地屋根部分には建築できなくなるので“建築面積に算入できない土地“、つまり有効に使えない土地が生じることとなります。
 
しかしこの越境物の影響は大きく、この隣地の屋根がかかっている部分には建築できなくなり、“建築面積に算入できない土地“、つまり有効に使えない土地が生じることとなります。
 
状況を知った買主Bからは『被越境している屋根部分を撤去できないと、売買契約解除または売買価格を減額することになります』と言われてしまいました。
 
たかが20㎝で!?と言いたくなりますよね。この20㎝がどの程度、価格に影響するのでしょうか。
 
・土地の長さが15mなので、土地面積は3㎡(20㎝×15m)減る
・1㎡あたりの単価が50万円

 
この前提条件ですと150万円(3㎡×50万円)も価格が下がります。また、使える土地部分が減ることで建築プランの変更にまでなると、事業収支に影響が出てそのマイナス分まで価格減額させられることもあります。
 
このように越境物によって“有効に使えない土地”が生じることで土地価値が下がり売買代金の減額になるのです。
 
今回の例では、被越境している部分(3㎡)をその隣地所有者が購入したので、売主Aさんと買主Bさんとの越境問題は解決し、売買も無事に終わりました。
 
しかし、次の事態になっていたらどうなっていたでしょう?
  

⑴ 隣地の方から「購入できない」「屋根を壊す事に同意できない」と言われた。
  →売買価格減額
 
⑵ 隣地の方と越境物のことで揉めたため、その隣地の方と土地境界確認できない。
  →売買契約解除
 
⑶ 越境解消が契約上の引渡し日までに間に合わなかった。
  →売買契約解除

 
売主Aさんが気にも留めていなかった越境物によって、売買契約解除や価格減額はもちろん、問題解決するまで売却できなくなることもあり得ます。このような問題に発展するのは屋根だけではなく、ブロック塀など日ごろから見ている物だったりします。
 
 
なお、プロサーチ株式会社では、不動産の調査や問題解決方法のアドバイスを行っております。本記事読者様は個別相談(90分間)を無料でお受けしていますので、お気軽にお問合せください。
 

 

 
 

不動産売買で隣地との越境物トラブルを回避するポイント


 
所有者が売るまで気付かない問題で、不動産価格が下がる代表例にはこのようなものがあります。
 

【隣地の所有者等との問題】
・土地境界点の位置を巡って隣地と揉める
・ブロック塀や樹木や家屋などの越境物の解消を巡って隣地と揉める
・私道所有者から、私道の通行や掘削の承諾をもらえず建替え困難
 
【不動産自体の問題】
・廃材などの地中埋設物が発見され撤去費用等を請求される
・建築基準法を無視した増築で違法建築物扱いとなり価格が下がる

 
 

これらのトラブルを回避するためのポイントは、「【土地】と【建物】の現状の調査」と「問題点を抽出し、その問題解決方法の検証」をしておくことです。
 
売買契約した日から不動産を引き渡す日まで一般的に1~3ヶ月かかります。
 
売買を進めた後では、不動産の問題を解決するための時間が足りないことがあります。そうなると、せっかくの契約も白紙に戻ってしまいかねません。
 
 
まず、不動産の現状を知るためにこのようなことを確認することから始めてみてください。
 


・土地の周りを見て、枝葉やブロック塀が越境・被越境していないかどうか。
 
・不動産購入時の重要事項説明書等の特約条項に、問題点や周知事項の記載があるかどうか。
 
・家の前が私道の場合、【私道の通行、掘削に関する承諾書】が保管されているかどうか。
 
・土地や建物の現状を変更(増築など)した際の書類が保管されているかどうか。
 
・不動産の書類が整っているかどうか(不動産売買契約書・重要事項説明書・建物図面・土地測量図等)

 
もちろん、直ぐに解決できることは解決するよう進めてください。 
 
 

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まとめ

 
今回のポイントはこちら。
 

・「越境」とは、所有物が隣地に侵入していることをいい、隣地から自分の土地にそれらが侵入してきている状態を「被越境」という。さらに、越境している物を「越境物」「被越境物」と呼ぶ。
 
・境界を越えて敷地内に侵入している越境物は、目視で確認できない場合もある。わずかでも越境し、それが解消できないと不動産売買契約の解消や売却価格の下落につながる可能性がある。
 
・不動産所有者が売却するまで気付きにくい問題は「土地境界点の位置」や「地中に埋蔵物があった」「増築したら違法建築物になってしまっていた」など意外と多い。
 
・トラブルを回避するために今からできる対処法のポイントは「【土地】と【建物】の現状を知ること」「問題点を抽出し、その問題解決方法を検証しておくこと」である。

 
不動産の問題で、お金で解決できればまだ良いほうで、心情面が絡んできたときがとても厄介です。
 
隣地の方など問題解消の相談先とのボタンを掛け違えば問題の泥沼化もあり得ますから、根気強く関係者への丁寧な説明と姿勢を続けなければなりません。
 
まずはご自身の不動産について現状把握をしてみてはいかがでしょうか。
 
 

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この記事の監修
プロサーチ株式会社 代表取締役 松尾 企晴(まつお きはる)

20歳のとき母方の祖父母を火事で亡くし、祖父祖母の相続では兄妹間の争族に発展。『またいつか』ではなく『すぐにでも』行動しなければならないことや、どれだけ仲の良い兄妹でも揉めることを痛感。会社の事業理念に『家族の物語をつむぐ』を掲げ、不動産等のモノだけではなく、親や子に対する想いや思い出などのコトも含め、家族が織りなしてきた物語(モノやコト)を親から子へと継承していくことこそが【真の相続】と考え、不動産相続のプロとして、お客様の気持ちを聴き、寄り添う姿に多くの顧客から評価を得ている。
現在は全国から寄せられる相続に関する相談の解決に尽力しながら、家族信託の提案や、相続問題解決のヒントをメルマガ・セミナーなどで情報を発信している。

 

 

 

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