アパートの空室対策。お金をかけずにできる空室改善の5つのステップ

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アパートの空室対策。お金をかけずにできる空室改善の5つのステップ写真

2021.9.7

 
 
賃貸経営をしている人なら、「空室による収入減」について一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
 
日々新しいマンションやアパートが建設されており、築年数の経過した賃貸不動産は何も対策をしなければ競合に埋もれて空室を埋めることができなくなったり、入居者が決まっても短期間で退去されてしまいます。
 
 
しかし、新しく設備を導入したりリフォームしたりするにもたくさんお金がかかります。
 
あなたは「本当にこれで入居者が増えるのだろうか」と不安を抱きながら空室対策の設備投資をしてはいませんか?
 
または、管理会社に言われるがまま賃料を下げることを了承したりしていませんか?
 
本記事では、賃料を下げたり費用をかけて設備投資をする前に試してほしい「空室対策チェックポイント」をお伝えします。
 
 
今回のポイントは以下の通りです。
 

・空室に困ったときのチェックポイント(1)募集図面を確認(2)入居者履歴からどのような人に選ばれてきたのか調べる(3)物件に合うライフスタイル・趣味からアピールポイントを考える(4)自ら内見し入居者目線で改善点を探す(5)募集条件を再検討する
 
・住んで得られる価値を伝えられていない又はどのような属性の方々に好まれるか分かっていない場合は闇雲に設備投資しても的外れな対策になる可能性がある。

 
 

空室に悩むオーナーの特徴


 
賃貸経営をしているオーナーからの空室相談をこれまでたくさん受けてきましたが、空室に悩むオーナーには、このような共通点があることがわかりました。
 

1)賃貸募集の図面を見たことがない。
 
2)管理会社に任せっぱなし。
 
3)物件に1年以上行っていない。
 
4)空室対策の情報は豊富だが何も行動に移していない。
 
5)現在や過去の入居者の属性を知らない。

 
 
賃料収入が減り、借入金返済や生活費に困るようになってから相談にこられるのですが、決まってこの5つのどれか又は複数に該当しています。
 
皆さんはいかがでしょうか。
 
 

設備投資にお金をかける前に確認したい5つのチェックポイント


 
上記の共通点に当てはまっている場合
・住んで得られる価値を伝えられていない
・どのような属性の方々に好まれるか知らない
という状況です。
 
この場合は、闇雲に設備投資しても市場の需要と供給がマッチしない可能性があります。
 
設備投資にお金をかける前に5つのステップでチェックしていくことがポイントです。
 
 

 掲載している募集図面を確認する

募集図面は、物件の情報や魅力を伝える重要なツールです。不動産会社が作成した募集図面は必ず自身の目で確認しましょう。
 
募集条件が正しく表示されているかはもちろんのこと、どんな表現を使っているかも注目です。
 
例えば、よく「閑静な住宅街」と書かれている図面がありますが、「駅から近いのに車の通りが少なく夜は静かです。」と書かれている方が、読み手はイメージがしやすいです。
 
図面に使う写真も重要です。暗かったり不鮮明な写真を使っていないか確認しましょう。
 
 

 過去の入居者の履歴からどのような人に選ばれたのかを調べる

性別や家族構成、年齢層など、これまでどのような人に住んでもらってきたかを確認しましょう。
 
契約者本人や同居人などの情報は賃貸借契約書をみて確認ができます。
 
この物件はこれまでどんな人に選ばれたのかをもとにターゲットを設定し、戦略を練りましょう。
 
 

 物件に合うライフスタイル・趣味からアピールポイントを考える

この物件に住むことでどんな生活を送ることができるかを考えましょう。
 
例えば、「近くの大きな公園にはランニングコースがある」と書かれていれば、ランニングに興味がある人や健康志向の人は興味を持つかもしれません。
 
「飲食店が近くに多くある」と書かれていれば、グルメで外食が好きな人に興味を持ってもらいやすいかもしれません。
 
このように、その物件に住むことによって得られる価値は何かを考え、伝えられるようにしましょう。
 
 

 オーナー自ら内見し、入居者目線で改善点を探す

図面や募集条件でせっかく興味をもってもらい内見に漕ぎつけても、部屋に清潔感がなかったり、生活しづらそうな印象を与えてしまうとがっかりされてしまいます。
 
窓を開けて換気をする、物件の魅力ポイントを書いたカードを掲示する、スリッパやメジャーを用意する、共用部の清掃が行き届いているか確認する、など、オーナー自ら定期的に物件を訪問して内見者を気持ちよく迎えられるようにしましょう。
 
 

 募集条件を再検討する

敷金や礼金は、周辺の類似物件と比較してどうでしょうか。
 
例えば礼金を0にすると一時的な収入は得られませんが、なによりも優先すべきは入居者の確保です。
 

また、「入居者に長く住んでもらう」ということも空室対策に必要な視点です。
 
ですので、長期入居者や滞納のない善良な入居者には、更新料の免除やエアコンの交換などの特典をつけることで、更新のタイミングでの退去を阻止できる可能性があります。
 
 

では、これらのポイントを実行して慢性的な空室を解消したオーナーさんの実例をご紹介します。
 
■関連記事
相続対策に成功する家族と失敗する家族の違いとは?ゼロからわかる相続対策の進め方

 
 

空室コンサルティング実例


 

家 族:父79歳、母75歳、娘Aさん(相談者)45歳、娘の子の4人家族(同居)
資 産:賃貸マンション兼自宅(10階建)
 
相 談:
・全26戸中、6戸が常時空室状態。
・借入金返済が重くのしかかり、今後の建物改修費などが捻出できるか不安。
・家賃を相場以下に値下げするほかないと管理会社から言われているが、これまでも試してきたが決まらず、自分たちでは何をどのようにしたらいいのかわからない。
 
マンション管理の現状:
・地元管理会社に入居者募集等を委託していて、連絡窓口はお父様が担っている。
・娘Aさんが帳簿をつけており毎月収支がひっ迫していることに不安を抱えている。

 
 
対象不動産は東京都内にあり最寄駅から徒歩4分。JR線や他の私鉄も乗り入れしている何ら申し分のないアクセス、立地環境だったので、6戸も空室なのはちょっと多すぎるなという印象を受けました。
 
収支改善コンサルティングのご依頼をいただき、いくつか気になったことがあったのでご家族に聞いてみました。
 
『募集図面を見たことはありますか』
『物件の魅力だなと思うところを教えてください』
『これまでどのような人たちが住んできましたか』
『賃料を下げる以外の賃貸条件変更はしましたか』
『内見対応はどのようにしていますか』
 
募集図面は、新築の時以来見た記憶がなく、内見方法も知らない、賃料や敷金礼金の減額以外の条件変更の提案を受けたことがない、これまでの入居者は30代で小さなお子さんがいる家庭とのこと。
 
物件の魅力については、病院や商業施設がすべて徒歩10分以内にある、大きな公園が近くにあり池もあるのでランニングすると気持ちいいこと、バルコニー側が区立公園なので陽当たりが良い、など沢山ありました。
 
こちらが実際の募集図面です。
 

 
Aさんに見せてみたところ、『えっ!?女性限定じゃないよ!』『家賃保証に入ることが条件だなんて知らない…』など、かなり驚いた様子でした。
これまで管理会社に任せきりにしていて、募集条件を把握していなかったのです。
 

まず私が伝えたのは、「現状では部屋を探している人に対して物件を全くアピールできていない」ということです。物件をアピールし、興味を持たせ、見てもらわない限り空室が埋まるはずありません。
 
賃貸募集においてまず大切なことは、探している人の《選択肢》に残ることです。
 

 
募集図面を比較してみて、皆さんはどちらの図面の物件を内見したいと思いますか?
 
このように募集図面を『住むことで得られる価値をイメージさせる』ものに変えたことで、お客様も物件イメージを掴みやすくなったのでお問い合わせが増えました。
 
内見も「お客様を迎え入れる」考えを持ち、必要な内見グッズを揃えたりと環境を整え、できることはすぐ実行し、一歩一歩着実に進めることで成果を得ることができました。
 
結果は、約3ヶ月で空室6部屋すべて埋まりました。
 
 
『ただ募集するのではなく、アピールできているかなど意識を向けることが大切だと分かりました』
『誰か任せではダメですね。会社の経営と同じで、計画を立てて実行することが大事なんですね。これからは自分たちでも考える癖をつけていきます』
 
Aさん家族からはこのようなお言葉をいただきました。
 
収益を上げるための意識や行動の改善ができ、数年たった今でも順調に賃貸経営できています。
 
 

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空室が多い、賃料収入を増やしたい、対策提案を実行しても良いのかなどで悩んでいる方は、ぜひこちらから無料診断をお試しください。
 

 

 
 

まとめ

 
今回のポイント
 

・空室に困ったときのチェックポイント(1)募集図面を確認(2)入居者履歴からどのような人に選ばれてきたのか調べる(3)物件に合うライフスタイル・趣味からアピールポイントを考える(4)自ら内見し入居者目線で改善点を探す(5)募集条件を再検討する
 
・住んで得られる価値を伝えられていない又はどのような属性の方々に好まれるか分かっていない場合は闇雲に設備投資しても的外れな対策になる可能性がある。

 
空室問題を強く感じているのは“子世代”です。親の世代はいわゆる不労所得といわれ特に労せず収入を得ることができましたが、人口が下り坂の現在の日本では、厳しい環境を生き抜く経営力が求められています。
  
空室でお悩みを抱えている方は、空室対策に詳しい不動産コンサルタントや賃貸管理会社に相談しましょう。
  

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この記事の監修
プロサーチ株式会社 代表取締役 松尾 企晴(まつお きはる)

20歳のとき母方の祖父母を火事で亡くし、祖父祖母の相続では兄妹間の争族に発展。『またいつか』ではなく『すぐにでも』行動しなければならないことや、どれだけ仲の良い兄妹でも揉めることを痛感。会社の事業理念に『家族の物語をつむぐ』を掲げ、不動産等のモノだけではなく、親や子に対する想いや思い出などのコトも含め、家族が織りなしてきた物語(モノやコト)を親から子へと継承していくことこそが【真の相続】と考え、不動産相続のプロとして、お客様の気持ちを聴き、寄り添う姿に多くの顧客から評価を得ている。
現在は全国から寄せられる相続に関する相談の解決に尽力しながら、家族信託の提案や、相続問題解決のヒントをメルマガ・セミナーなどで情報を発信している。

 

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