私道と公道の見分け方とは?私道に接する不動産を売却する際の注意点を徹底解説

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私道と公道の見分け方とは?私道に接する不動産を売却する際の注意点を徹底解説写真

2021.7.27

 
 
あなたのご自宅の前の道(前面道路)は、公道・私道どちらでしょうか?
 
前面道路が私道の場合、不動産を売却しようとする際に注意が必要です。
 
なぜなら、私道を巡って問題が発生すると不動産が売れなくなる可能性があるからです。
 
普段から何年も何十年も何の問題もなく通っていた道で問題なんて起こるのか?にわかには信じられませんよね。
しかし、不動産取引ではよくある話なんです。
 

今回は、道路の種類の確認方法と不動産売却時の私道に関するよくある質問にお答えします。
私道に接している不動産を売却したいときの参考にしてください。
 
 
本記事のポイントは以下の通りです。
 

・実家等の不動産が接している道路が公道か私道かを判別するためには、管轄の役所等の建築指導課に聞くか、道路の登記簿謄本を取得しなければならない。
 
・私道持分には『共有型』と『分筆型』があり、分筆型は私道所有者から『通行掘削承諾書』を取得する必要がある。
 
・私道通行掘削承諾書の取得には費用がかかることが多い。
 
・相続発生から相続税納税期限までの10ヵ月でスムーズに不動産を売却するためには、今のうちに前面道路の種別を確認するなどの準備をしておく。

 
 

私道とは


 
国や自治体が所有し管理する「公道」に対し、個人が所有し管理している道を「私道」といいます。
 
 

不動産売却するときにおさえておきたい私道のポイント4つ

電球
 

1.建物の建築ができる建築基準法上の道路かどうか
2.私道の持分があるかどうか
3.その持分が共有型か分筆型かどうか
4.私道の通行掘削承諾書の取得が売買取引条件になるかどうか

 
 
それぞれの項目について、詳しく解説します。
 

 1.建物の建築ができる建築基準法上の道路かどうか

建物を建築しようとするとき、その敷地に接する道路が建築基準法上の条件をクリアしていなければ建物を建てることができません。
 
この建築基準法上の条件をクリアしている道路のことを「建築基準法上の道路」と呼びます。
この条件とは、沢山あるのですが、敷地が接する道路の幅員が4m以上であることなどがあります。
 

建築基準法上の道路か否かは、管轄の自治体の役所にある建築指導課で確認できます。まず、役所の窓口案内の方に「道路の種別を確認したい」と伝えると担当課へ案内してくれます。担当課の窓口の担当員さんに対象地の住所を伝えると、建築基準法上の道路かどうか教えてくれます。このときに、私道か公道のどちらかも聞けます。
 
 

 2.私道の持分があるかどうか

前面道路が私道であった場合、その私道の持分(所有権)があるかどうかを確認します。
 
確認方法は以下の通りです。
 

・固定資産税納税通知書に綴られている課税明細書に「公衆用道路」と記載された土地があるかどうか。
・購入時の売買契約書
・不動産権利証(又は登記識別情報通知)
・登記簿謄本を法務局出張所で取得

 
法務局で登記簿謄本を取得するには、対象地の地番が必要です。管轄の法務局出張所の地番照会の窓口に電話すると調べてくれます。
※対象地の管轄法務局を調べるには法務局の管轄案内から。

 
 
一番確実な方法は登記簿謄本の取得でしょう。
 
例えば、Aさんが自宅を購入した後に、Aさんが追加で私道を購入している場合があります。
 
この場合、自宅購入時の売買契約書には私道が含まれいないため、売買契約書だけで判断すると見落とすこととなります。そのため、登記簿謄本の取得が一番確実です。
 
 

 3.私道の持分が共有型か分筆型かどうか

持分には共有型と分筆型があります。
 
私道
 

共有型は道路に接する土地所有者で道路を共有するので、自宅から自分が所有する私道を通行できます。
 
分筆型は土地に接する道路を分筆しているため、自宅から他人が所有する私道をまたいで通行することになります。
 

対象の私道が共有型と分筆型のどちらなのかは公図を取得すれば確認できます。
 
公図は法務局またはインターネットで取得できます。
 
法務局の場合は、窓口の方に公図を取得したい旨を伝えれば申請書の書き方を教えてくれます。
 
 
参考:オンラインによる登記事項証明書等の交付請求(不動産登記関係)について
 
 

 4.私道の通行掘削承諾書の取得が売買取引条件になるか確認する

通行掘削承諾とは、私道所有者から、私道を通行することや、水道管などの引き込みで私道を掘削するときの承諾を取り付けることです。
 

共有型の私道の場合、例えば図のAさんが売却するとき、自宅から通り道まで自分の土地(私道共有)を通るので、原則として当該承諾を得ることを購入条件とされるケースは少ないです。
 
一方 分筆型の私道の場合は、例えばAさんが売却するとき、自宅から通り道まで他人の土地を通行することとなるため、B~Fの私道所有者から私道通行掘削承諾を取ることが、買主からの購入条件とされるケースがほとんどです。
 
 

私道に関するよくある質問

疑問

 

不動産を売却する場合、私道所有者から必ず承諾を得る必要がありますか?

 
承諾を得なければなりません。
 

建築工事では、私道を通行、掘削する作業が発生します。(工事車両の通行や、上下水道やガスなどの配管工事等)
 
もし、私道所有者に無断で建築工事を行うと、私道所有者から工事差し止めなどトラブルに発展する可能性があります。トラブルを未然に防ぐため、私道の所有者に当該承諾を取り付けることが水道局や工事会社の条件になっています。
 
 

承諾に費用は掛かりますか?

 
費用がかかると考えておいたほうがいいです。
 
なぜなら、私道を所有している人はその私道にかかる固定資産税や相続税、維持管理のための手間と費用を負担しており、その私道を利用させてもらからです。
 
これまでの私の経験では、私道通行掘削承諾書への署名押印でおおむね10万円前後という金額であることが多いです。また、毎月の通行料の設定をされている私道もあります。
 
 

相続税納税資金のための売却の場合

家と電卓
 
相続発生から相続税納税期限までは10ヵ月です。
 
相続税を納税するための資金を捻出するために不動産を売却しなければならならず、かつその不動産が私道に接していた場合、不動産会社の選定や通行掘削承諾書の取得、売却先の決定、売買契約、引き渡し・・・などをその10ヵ月の間で行わなければなりません。
 
大切な方が亡くなると、考え方などにもよりますが、お葬式や四十九日(仏教)などで一定期間、故人を思い喪に服す時間があろうかと思います。相続人になる方もお仕事などがあるので、実際に活動できるのは10カ月もないでしょう。
 
関連記事
相続発生後、不動産を売却して相続税を納めるためにまずしっておきたいスケジュールの話
 
また、不動産売却はなにかとトラブルがつきものです。
 
例えば、私道所有者となかなか会えなかったり、過去に仲違いがあったりした場合、私道の通行掘削承諾に時間がかかる、または承諾が得られないこともあり得ます。
 
なにか一つでも問題が発生すると、納税期限までに間に合わない可能性が高まり、実際に納税できないと延滞税も発生します。
 

いざ親の相続が発生したときに困らないために、不動産の前面道路の種類を確認しておくなど、今できることから準備しておきましょう。

 

プロサーチ株式会社では、私道に接する不動産を売却したい方、相続した実家等を売りたい、貸したいと考えている方へ、今後どのように進めていけばよいのか、高く賢く売却等するためなどについて、無料相談をお受けしています。どのような対策が今ならできるのかアドバイスと手続きのサポートをさせていただきますので、お気軽にお問合せください。
 
 

 

電話で無料相談する 03-5212-3656(平日/ 9時~18時、事前予約で土日祝対応可)

 

まとめ

 

今回のポイント

・実家等の不動産が接している道路が公道か私道かを判別するためには、管轄の役所等の建築指導課に聞くか、道路の登記簿謄本を取得しなければならない。
 
・私道持分には『共有型』と『分筆型』があり、分筆型は私道所有者から『通行掘削承諾書』を取得する必要がある。
 
・私道通行掘削承諾書の取得には費用がかかることが多い。
 
・相続発生から相続税納税期限までの10ヵ月でスムーズに不動産を売却するためには、今のうちに前面道路の種別を確認するなどの準備をしておく。

 

私道は普段生活をしているだけでは問題となることは少なく、売却や建て替えなど不動産を動かすときに問題が顕在化します。
 
私道に接する不動産の価値を下げずスムーズに売却するには、私道かどうかの確認などの不動産調査と、問題点の抽出。トラブル回避のための対策が必要です。このようなご相談は、相続と不動産に詳しい不動産会社へご相談することをおすすめします。
 
 

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この記事の監修
プロサーチ株式会社 代表取締役 松尾 企晴(まつお きはる)

20歳のとき母方の祖父母を火事で亡くし、祖父祖母の相続では兄妹間の争族に発展。『またいつか』ではなく『すぐにでも』行動しなければならないことや、どれだけ仲の良い兄妹でも揉めることを痛感。会社の事業理念に『家族の物語をつむぐ』を掲げ、不動産等のモノだけではなく、親や子に対する想いや思い出などのコトも含め、家族が織りなしてきた物語(モノやコト)を親から子へと継承していくことこそが【真の相続】と考え、不動産相続のプロとして、お客様の気持ちを聴き、寄り添う姿に多くの顧客から評価を得ている。
現在は全国から寄せられる相続に関する相談の解決に尽力しながら、家族信託の提案や、相続問題解決のヒントをメルマガ・セミナーなどで情報を発信している。

 

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