なぜ不動産は節税対策になる?その理由と注意するポイントをプロが解説!

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2021.5.25

 
相続税対策で不動産購入を検討したことはありますか?
 
不動産は相続税節税効果が高く、資産形成にもなることから購入検討される方が多く、不動産会社や税理士などの専門家も不動産を使った節税対策をよく提案をしています。
 
その不動産の中でも節税効果が高いのはマンションです。
 
一般的にマンションを所有する場合には、マンション1棟を所有する場合と、マンションの部屋部分のみを所有する場合があります。そして、後者の部屋部分のみを所有する場合を「分譲マンション」「区分マンション」といいます。
 
自分が自ら居住するために所有する場合を「分譲マンション」、不動産賃貸など投資目的や相続対策目的で所有する場合を「区分マンション」と呼び方を変えています。
 
本記事では区分マンションに焦点を絞り、
「相続税対策になるからと区分マンションを紹介されたがどのくらい効果がある?」
「区分マンションを相続税対策として購入するときの留意点を知りたい」

という方に向けて、相続対策での区分マンション購入のメリットと留意点をお伝えします。
 
 

今回のポイントは以下の通りです。
 

・区分マンションが相続税節税になるからくりは「土地面積」にある。
 
・特に対策効果が高いのは大規模マンションやビンテージマンション。
 
・区分マンションはアパートよりも分割対策として有効というメリットもある。
 
・空室になると賃料収入がなくなるリスクや、売却損の可能性もある。節税効果だけをみて購入するのではなく、あらゆるリスクを考慮して検討することが重要。

 
 
 

区分マンションはなぜ相続税対策効果が高いのか


 
なぜ区分マンションが相続税対策の効果が高いのか、そのからくりをみていきましょう。
不動産の相続税評価額は、土地と建物に分けて次のように計算します。
 

土地:土地面積に相続税路線価を乗じて求めます。
   土地が不整形、未接道地などであると一定割合を減じます。
 
建物:固定資産税評価額です。

  
なお、土地や建物を賃貸や賃借(借地)している場合は、上記で求めた評価額から一定割合を減じることができます。
 
では区分マンションとアパートの相続税評価額を比較してみましょう。
 


※各数値等は、効果イメージを分かりやすくしたものであり、実際は詳細計算が必要です。
※相続税対策の効果検証は、税理士等の専門家に確認してください。
 
アパートを購入した場合、なにも対策しなかった場合と比べ645万円の相続税節税効果があります。
一方、区分マンションを購入した場合にはおよそ1,777万円もの節税効果が見込めます。
 
購入価格や相続税路線価が同じでも、アパートと比較し区分マンションの相続税対策の効果が高いことが分かります。
 
もう皆さんもお気づきと思いますが、この対策効果が高くなるのは、『区分マンションは、アパートと比較し土地持分が少ない。そのため、土地の相続税評価額が低い』というからくりがあるからでした。
 
時価と評価の差が大きくなればなるほど対策効果が高いということですね。
 
ここで、区分マンションの中で時価と評価の差が大きく対策効果が高いものを2つご紹介ます。
 

・超高層マンション等の大規模マンション
 ⇒総戸数が多いため、その分土地持分が少なくなる。
 
・ビンテージマンション
 ⇒築年経過により固定資産税評価額は下がるが、売買価格は下がらない人気マンション。
  売買価格と相続税評価額の差が大きくなり、相続税対策効果も高くなる。

 
 
この他、区分マンションではありませんが、不動産持分で所有する『小口化不動産』が最近注目されています。
 
新築や築浅の駅前のビルや1棟のマンションを持分(購入口数に応じる)で所有することでき、相続税対策にも区分マンションと同様の効果が得られるため人気を集めています。
 
▽小口化不動産の記事はこちら▽
相続対策に使える小口化不動産とは?5つのメリットと留意点をお伝えします。

 
 

区分マンションは資産承継がしやすい


 
これまでお伝えしたとおり、区分マンションは相続税対策として効果が高いことが分かりました。これは大きなメリットですね。
 
区分マンション購入による相続対策のメリットは他にもあり、親の資産内容にもよりますが、遺産分割がしやすくなることが挙げられます。
 
たとえば、相続人となるお子さんが3人いて、9,000万円分の相続税対策を検討している方。
 
・9,000万円のアパート1棟
・3,000万円の区分マンション3戸
 
遺産分割で揉めないためにはどちらの方が良いでしょうか。
 
このケースでは、区分マンション3戸の方が子どもそれぞれに区分マンションを割り当てることができるため、遺産分割しやすくなります。逆に1棟のアパートの場合には、それぞれに物件を割り当てることができず、子3人の共有名義でアパートを所有させるか、もしくは、1人がアパートを相続し他の子2人にはアパートに代わる財産を相続させるかなど遺産分割の方法を検討しなければなりません。
 
また、区分マンションはアパートより管理の負担も多くありません。
 
貸室内のことや賃借人の対応は必要ですが、建物の中長期修繕計画策定やメンテナンスなどはすべて分譲マンションの管理会社がおこなうからです。
 
被相続人は、相続人の管理負担が少ない資産を残してあげることができるのです。
 
 

区分マンションを利用した相続対策の2つの留意点


 
区分マンションを利用した相続対策において、留意すべき点もあります。
 

 賃借人が退去すると賃料収入が0円になる

一棟アパートと異なり複数の部屋がないため、空室になった場合の収入は0円となります。そのため、借入金で購入している場合、賃料収入がなくても手元資産から借入金返済はしなければなりません。

 

 賃借人の有無が売却価格に影響する

 
賃借人がいるかどうで不動産の価格が大きく変わります。
 
特に、〇DK以上のマンションでは、夫婦やファミリーが賃貸で入居するのではなく、分譲マンションとして所有目的で購入をする可能性もあり、購入希望者が投資目的で購入する不動産投資家と自ら居住するファミリーと対象が広がるのです。
 
そのため、賃借人がいる場合は収益不動産として、賃借人がいない場合は実需不動産(住む方向け)として売却価格を算出します。
 

【例】相続対策で、空室の中古区分マンションを価格4,000万円で購入し、第三者へ月額15万円(年間180万円)で賃貸しました。周辺の投資利回りの相場は6%です。

 
賃貸している不動産は、買って住みたい人ではなく投資したい人、つまり不動産投資家が購入します。売却価格の求め方は「年間賃料収入に対する投資利回り」で計算します。
 

計算式:年間賃料180万円÷投資利回り6%=3,000万円

 
賃借人がいる場合と、いない場合とでは、上記事例のように同じ部屋なのに売買価格が大きく変わりましたね。相続後に売却する予定がある方は、賃借人いる・いない場合の価格査定をしたほうが良いでしょう。
 
 

賃借人有り・無しを選択できるように『定期借家契約(再契約型)』を利用する

 

空室状態で購入し、賃貸物件で売却しようとすると、先ほどの事例では▲1,000万円も価格に開きが出てしまいます。相続税をいかに安くできたとしても売却損の方がおおきくなったのでは意味がありません。
  
賃借人の有無を大家(賃貸人)サイドでコントロールできるよう計画を立てた方が良いでしょう。
その方法としては、賃貸借契約の形態を『定期借家契約(再契約型)』とする方法があります。
  

【良く知られている更新型】

・賃借人が契約更新したいと言えば、借主の希望が優先され原則更新されます。
・立ち退きに正当事由がなく賃借人が合意しない限り、契約解除ができません。

  

【定期借家契約:再契約型】

・賃貸借契約満了日の1年前から6カ月前まで賃借人に書面通知すると、契約解除で
きます。
・上記の契約満了日をもって契約終了させるのに正当事由や賃借人の合意は不要です。

 
 
区分マンションによる相続税対策は、対策効果が高いので、その効果だけを期待して深く考えず購入する方が多いです。しかし留意点にあげたことも踏まえて、計画を立てて進めなければなりません。
 
 

まとめ

 

・区分マンションが相続税節税になるからくりは「土地面積」にある。
 
・特に対策効果が高いのは大規模マンションやビンテージマンション。
 
・区分マンションはアパートよりも分割対策として有効というメリットもある。
 
・空室になると賃料収入がなくなるリスクや、売却損の可能性もある。節税効果だけをみて購入するのではなく、あらゆるリスクを考慮して検討することが重要。

 
 
本記事でお伝えしたとおり相続税対策の効果は得られますが、留意すべき点もありますので、購入検討される方は『相続税』の視点だけではなく、『不動産』の価格や維持管理なども見ていく必要があります。
 
相続税対策を考えたい方は、相続と不動産に詳しい不動産の専門家に相談しましょう。
 
 
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この記事の監修
プロサーチ株式会社 代表取締役 松尾 企晴(まつお きはる)

20歳のとき母方の祖父母を火事で亡くし、祖父祖母の相続では兄妹間の争族に発展。『またいつか』ではなく『すぐにでも』行動しなければならないことや、どれだけ仲の良い兄妹でも揉めることを痛感。会社の事業理念に『家族の物語をつむぐ』を掲げ、不動産等のモノだけではなく、親や子に対する想いや思い出などのコトも含め、家族が織りなしてきた物語(モノやコト)を親から子へと継承していくことこそが【真の相続】と考え、不動産相続のプロとして、お客様の気持ちを聴き、寄り添う姿に多くの顧客から評価を得ている。
現在は全国から寄せられる相続に関する相談の解決に尽力しながら、家族信託の提案や、相続問題解決のヒントをメルマガ・セミナーなどで情報を発信している。

 

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