【2021年最新情報】タダには要注意!!「使用貸借」している土地のよくある落とし穴

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【2021年最新情報】タダには要注意!!「使用貸借」している土地のよくある落とし穴写真

2019年2月28日公開
2021年8月17日更新

 

私たちは普段から物やスペースを借りたり貸したりして生活しています。 
身近な例でいうと、アパートなどの賃貸住宅や月極駐車場、レンタカーなどです。 
 
そんな物の貸し借りに、種類が大きく2つあることはご存知でしょうか? 
すこし小難しく言うと、「賃貸借」「使用貸借」というものがあり、違いを簡単に言うと「お金を払って借りる」か「タダで借りる」かです。 
 
親子間で不動産を貸し借りすることもあり、その多くが「使用貸借(タダで貸し借り)」です。例えば、親名義の土地を子どもが家を建てて住む、といった感じです。
 
本記事では、親子で「使用貸借」で貸した土地を相続する際の注意点をお伝えします。 
 
ポイントは以下の通りです。
 

・物の貸し借りには「賃貸借」と「使用貸借」があり、その違いは「お金のやり取りがあるか否か」である。
 
・不動産を「使用貸借」している場合は相続時に注意が必要。貸している側、借りている側のどちらが先に相続発生するかで使用貸借の扱いが変わり、民法上は借主の死亡により使用貸借は終了してしまう。
 
・裁判事例では、借主の権利がある程度守られる傾向にあるが、事情や経緯によって結果はまちまちである。
 
・使用貸借で揉めないようにするためには、使用貸借契約書を作成するなど事前の準備と家族への周知が必要。

 
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事例:使用貸借を引き金にすれ違う兄妹

 
それでは、親子間で使用貸借している土地の相続トラブルについて事例をご紹介します。 
 

【ご相談者】妹Aさん(58歳)
【来社のきっかけ】生命保険会社の方からのご紹介
【家族構成】父87歳(昨年他界)、母84歳、兄60歳、妹Aさん(58歳)
【お悩み】使用貸借している土地の相続についての兄妹間トラブル
 
□母は3年前から認知症の症状が現れ、施設に入所中。
□遺言により不動産は長男がすべて相続し、母の面倒を見ることとしてある。
□長男は結婚し、奥様と子(35歳)と一緒に、相続した実家に住んでいる。
□妹Aさんが結婚した時、妹Aさんの夫が、父の土地の一部を借りて自宅を建築。
※土地賃貸について契約書は交わしておらず、地代も発生していない(使用貸借)。

 

 

遺言により父の不動産は全て兄が相続することについて、Aさんは昔からそのように言われてきたので、その点は納得しているご様子でした。
 
しかし普段は温厚で、今まで兄妹関係も良好であった兄から、思いもよらないことを言われたのです。
 
「お前が住んでいる家の土地はタダで借りているんだよな。悪いが、俺の子どもの家を建てたいから、明け渡してほしい。俺が相続した土地だし、タダで借りていたんだから仕方ないよな。」
 
妹Aさん「お父さん、お兄ちゃんに言ってなかったの?今まで地代を払ったことは無いけど、それはお父さんが決めた事だし…。しかも建物もまだまだ使える状態だから、そんなこと言われても困るよ」
 
話し合いは平行線のまま進みません。
 
さて、Aさんは建物を明け渡さないといけないのでしょうか。
 
 
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使用貸借における相続への影響

 
使用貸借の場合、次のことに留意する必要があります。
 

1)土地の所有者である父(貸主)に相続があった場合
お兄さんが父の土地を相続した場合、妹Aさんの夫(土地の借主)の使用貸借する権利は消えず継続します。
妹Aさん達が、借りたときの目的(家に住み続ける等)のまま使用し続ける限り、兄はそのまま土地を貸し続けなければなりません。
そのため、妹Aさんの夫はお兄さんから立退きの要求があったとしても、原則は使用貸借を主張して、そのまま住み続けることが出来ます。
 
※留意点
相当期間の経過を設けて明け渡す、第三者に土地を売却した場合など、個別の事情や経緯により異なりますので、不動産に詳しい弁護士へご相談下さい)

 

2)借主(妹Aさんの夫)に相続があった場合
借主(妹Aさんの夫)が亡くなり、妹Aさんが建物を相続した場合はどうでしょうか。建物は妹Aさんの夫が借りている土地に建っています。

民法597条3項によると「使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う(概略)」とされています。つまりこの条文とおりであれば、借主であるAさんの夫が亡くなったので使用貸借の効力はなくなり、妹Aさんは建物を取り壊し、土地を兄に返還しなければならないことになります。

 
いかがでしょうか?いくら使用貸借でも、何だかそれはかわいそうと思いませんか。
 
このような事件は少なくないようで、裁判まで発展しているものもあります。
 
裁判事例(東京地判平成5年9月14日等)では、【家を建てて住む目的など、借主の状況を考慮すべき事由がある場合には、使用貸借の地位は引き継がれるべき】との判決が出ています。
 
裁判事例はあくまで例外として認めているものですが、借主の権利はある程度守られる傾向にあるようです。
ただ、事例によって判例結果はまちまちです。あくまで事案による、ということでしょう。
 
 
なお、プロサーチ株式会社では、家族間で使用貸借している不動産について円満相続するためのアドバイスを行っております。本記事読者様は個別相談(90分間)を無料でお受けしていますので、お気軽にお問合せください。
 

 

 
 

使用貸借のトラブルを防止するには

契約
 

 家族間でも契約書の作成をする

 

私の経験上、親の土地に子どもが建物を建てるケースなどは、口約束のみで土地の貸し借りが行われていることがほとんどです。
 
親子や子同士の仲が良いとしても、将来の関係性まではわかりません。

しっかり土地の貸し借りの契約書(賃貸借もしくは使用貸借で解除条件を明確にしたもの)を作っておくことや、家族や親族などの関係者に周知しておくことで、将来のトラブルを未然に防ぐ、軽減することができるのではないでしょうか。
 
 

 家族皆への周知の重要性

 
使用貸借は、当事者間(貸主と借主)で合意してさえいれば、書面にしなくても契約が成立しています。(諾成契約と言います)

 
しかし、将来その土地の相続に関わってくる他の兄弟たちがその土地の貸し借りを知らされていないこともあります。
 
もし、お兄さんと妹Aさん(又は夫)が昔から不仲で、相続の際に揉める可能性があるとしたら、お父さんから、お兄さんに対して「土地は妹Aに無償で貸し続けること」を納得させたり、心配なら契約書を締結しておいたり、遺言を用意したり……事前に対策ができたはずです。
 
父が元気でいるうちは父と妹Aさんだけの話でしたが、このように父に相続が発生すると、土地は兄妹の相続財産となり、本事例のように相続や利用を巡って揉めてしまうことがあります。
 
父と妹Aさんだけの話にせず、妹Aさんに土地を貸すときから、家族会議を開いて、父の想い・考えを子に伝えおくことが大事です。もちろん、後日、言った言わないという水掛け論とならないよう書面化しておくことが良いでしょう。
 
不動産のような金額が大きく分けにくい財産は、事例のように後々のトラブルになりやすいです。家族だから大丈夫!ではなく、もし遺産を巡って争いたくないのであれば、家族だからこそしっかりと対応しておくべきなのです。

 
 
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まとめ

・物の貸し借りには「賃貸借」と「使用貸借」があり、その違いは「お金のやり取りがあるか否か」である。
 
・不動産を「使用貸借」している場合は相続時に注意が必要。貸している側、借りている側のどちらが先に相続発生するかで使用貸借の扱いが変わり、民法上は借主の死亡により使用貸借は終了してしまう。
 
・裁判事例では、借主の権利がある程度守られる傾向にあるが、事情や経緯によって結果はまちまちである。
 
・使用貸借で揉めないようにするためには、使用貸借契約書を作成するなど事前の準備と家族への周知が必要。

 
この世の中、タダより怖いものはありません。また、家族だから安心ということもありません。
 
特に、誰もが必要とする不動産であるからこそ、大切な家族が将来困らないようきちんと対策していく必要があるでしょう。
 
自分たちは相続税が掛からない、不動産は自宅だけだから大丈夫と言う方も多いですが、実はそういうご家庭が一番揉めているのです。
 
今回のケースのように、自分の資産のどこに落とし穴があるかわかりません。
まずは専門家にご相談頂き、現状を確認し将来の問題を事前に発見していることをお勧めいたします。
 

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この記事の監修
プロサーチ株式会社 友重 孝一朗(ともしげ こういちろう)

投資に関するブログで読者2万人(現在は休止中)。実際の不動産投資や相続に関するコンサルティングに興味を持ちプロサーチへ入社。
不動産及び相続の視点と、投資の知識を持って老後の資産形成のアドバイスを行う。自社や証券会社などで家族信託や不動産相続のセミナー講師を多数務め、分かりやすい話し方には定評があり、リピーターも多い。

 

 


 

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