もはや他人事ではない!必ず訪れる『実家をどうする?』問題で気を付けること

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もはや他人事ではない!必ず訪れる『実家をどうする?』問題で気を付けること写真

親(本人)が実家を利用しなくなったときのことについて、親や子と話していますか?
恐らく多くの方は気になりながらも、今すぐの問題ではないから『何もしていない』のではないでしょうか。
 
実家の空き家問題は社会問題化すると思います。
これまでも放置空き家に対する厳しい法的措置や親の意思判断能力が欠如することで起きる問題について触れてきましたし、最近ではこれら空き家問題に関するセミナーやそれを扱う専門家、サービスも増えてきました。
 
下図のとおり、団塊の世代と呼ばれる1947年から1949年までの第一次ベビーブームで出生した方々が3年間で計800万人以上います。現在の年間出生数が100万人を下回っていますから、その数の多さが分かります。
 

 
核家族化が進んでいる日本において、子供たちは家庭を築き、持ち家である場合がほとんどのため、今後は団塊の世代の方々が老人ホーム等に入居したり相続が発生したりすることによって、空き家が爆発的に増えるのではないかと言われています。
 

空き家となる実家の現状

遺産分割で揉めずに、親の実家をすんなり売却できたり有効活用ニーズがあったりすれば、空き家問題に直面することはないでしょう。
 
しかし、売却や活用をしたくてもそのニーズが少なければ、売却等ができるその日まで費用をかけて維持せざるを得ません。
建物の維持に費用も掛かり大変だからと更地にするにしても解体費用がかかり、そのうえ固定資産税も6倍に上がることになるため、結局何もしないまま放置している、こんなお家も多いのではないのでしょうか。
 

出典)実績値は、総務省「住宅・土地統計調査」より。予測値はNRI。
 

空き家問題に対する不動産業界の動き

現在では、空き家の管理や空き家自体を丸ごと借り上げて自社でリフォームをするサービスも出てきました。
少しずつ空き家に対するビジネスモデルも出来上がってきてはいますが、こうしたサービスが日本全国すべてのエリアに対応できるわけではありません。実際のところ、売買や賃貸ニーズのあるエリアに限られているのが現状です。
 
また、空き家対策の一環として不動産仲介手数料の繰り上げの仕組み案も発表されています。
 

(産経ニュース参照)
 
このように様々な業界が空き家問題に取り組むことで少しでも多くの方の問題が解決できれば良いのですが、肝心なことが抜けています。
 
借り上げサービスにしてもそうですが、『実家をどうするか』の方針が決まらない限りサービスが使われることはありませんし、結果として空き家問題も無くならないでしょう。
さらに申し上げると実家のことよりも、親(本人)が存命であれば介護問題や生活費問題などを先に解消しないことには中々この『実家をどうするか』に取り組むことが出来ないのではないかと思います。
 
つまり、このことが『何もしていない』原因の一つだと考えています。
 

実家を売却等するときに考えてもらいたいこと

お客様の多くは、【実家をどうするかまで頭が回らない、又は、考えてもどうしたらいいか分からない】状態だということを専門家は認識したうえで話を聴き(訊き)、情報提供や対策の提案をすべきだと思います。
 
もし相続後の実家は不要となり売却や賃貸する可能性が高いというとき、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか?
 

売却するのであれば、『相続空き家の3,000万円控除(正式名称ではない)』が使えるかどうか確認すること
賃貸するのであれば、『永続的に貸すのか、期限を区切って貸すのか』を考えておくこと

※この他、時価把握や活用種類、遺産分割についてなど検討することは多数あります。
※『相続空き家の3,000万円控除』の概要については 過去のメルマガをご参照ください。
 
 
<よくあるお客様の希望例>
『親(本人)が老人ホームに入居したから、取り敢えず家は他人に貸しておいて、相続が発生したら売却して兄弟(子)で現金で分けたい』というお客様。
 

●メリット
・老人ホーム入居から相続発生まで賃貸収入を得られる
・賃貸継続すれば貸家の小規模宅地の特例を利用できる など

 

●留意点
・相続発生してすぐ売却するのであれば、賃借人がタイミングよく自ら退去しない限り立ち退きをさせる必要がある(時間とコストがかかる)
・売却時の手取りが大きく減る(相続空き家の3,000万円控除が使えない)
・自宅の小規模宅地の特例が使えなくなる(相続人が適用要件を満たしていれば利用可能) など

 
収入も得ながら相続後は売ってお金で分けるという、まず思い浮かぶ選択肢なのではないでしょうか。
決してそれがダメだと言いたいわけではなく、『今すぐお金を得られる』などのメリットばかりに目が行き、相続承継後のことまで踏まえて実行している方は少ないのではないかと案じているのです。
 
不動産や相続を取り巻く税制は毎年のように変わります。
上記の相続空き家の3,000万円控除を使えるか使えないかで、600万円ほども売却手取り額が変わることもあります。
 
実家の今後を考えるときには、『気持ち』の整理とあわせて『損をしない』ようにすべきでしょう。魅力的なサービスだからと飛びついて…あとから「やっぱりやらなければ良かった!」とならないように。
『実家(自宅)をどうするか』を考えるときには、実家相続で損をしないためにも、不動産にかかる税制や法律面や相続承継まで見据えた公平的なアドバイスをしてくれる専門家に相談することを推奨いたします。
 

【遺産相続コンシェルジュからのアドバイス】


超高齢化社会や核家族化(単身高齢者の増加)といった背景を踏まえると、最終的には施設に入居される高齢者の方も多いと思います。
元気なうちに有料老人ホーム等に入居し、その後に相続が発生した場合、相続人は相続空き家の3,000万円控除が使えずに多くの譲渡税の負担を強いられることになります。
もし認知症等で施設に入ってしまい、将来自宅に戻る見込みがない場合は、生前に自宅を売却するというのも選択肢の1つではないでしょうか。
(生前であれば、マイホームを売ったときの3,000万円特別控除が適用になるため)
 
ただし、認知症などで意思判断能力が欠如してしまうと、本人確認が取れないためそもそも売却ができません。
そのためできれば元気なうちから、遅くとも介護状態になったところからでも良いので、『実家について考える』ようにし、いざというときに家族の意思のみで売却できるように家族信託を締結するなどの対策を講じておくことも大切だと思います。(記:山田大地)
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